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【サンゴ密漁】
海底に散乱の漁網は中国船のものと断定 水産庁、小笠原調査結果を公表
中国密漁船の網に絡まっていたアカサンゴの断片平成27年3月、小笠原諸島周辺海域(水産庁提供)
中国漁船による小笠原諸島(東京都小笠原村)周辺でのサンゴ密漁問題で、水産庁は21日、3月に実施した初の海底調査の結果を正式に発表し、海底に散乱する漁具などが中国漁船のものだと断定する見解を示した。同庁は近く外交ルートを通じ、中国側に調査結果を伝え、再発防止を徹底するよう強く求める。
海底調査は、密漁船が操業したとみられる小笠原諸島周辺の10地点に無人潜水艇を潜行させてカメラで撮影した。公開された約4分の映像からは、海底のサンゴ群に絡まっている網や根元から折れたり、網から落ちるなどして砂に埋もれかかっているサンゴのほか、岩に絡まる複数の網などが確認できた。
水産庁によると、海底調査では、損傷を受けていないサンゴや魚が身を隠すなど生息に欠かせないサンゴの一種、ヤギ類の群集も確認されたという。水産庁は「中国漁船による違法操業が海底地形に大きな影響を与えた痕跡や、根こそぎサンゴが取られたような状況はなかった」としている。
一方、撮影された網について、水産庁は「日本船の使う網とは長さや材質が異なる。また、網の付着物も新しいことなどから、昨年大挙して小笠原諸島周辺に現れた中国漁船のものとみて間違いない」としている。
しかし密漁問題発生以前の海底の状況を示す資料が存在せず、被害立証ができない上、実際に密漁した中国漁船の特定も不可能で、損害賠償請求は難しいとの見方を示した。
海底調査は、小笠原村から要望を受けた水産庁が平成26年度の補正予算に調査費1億3200万円を計上し、今年3月、水産総合研究センターと立正大とともに、3週間にわたり実施していた。




