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日本政府「鯨文化を死守」アピール SS創設者引き渡し要請 ICJ敗訴の裏に妨害によるデータ不足

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日本政府「鯨文化を死守」アピール SS創設者引き渡し要請 ICJ敗訴の裏に妨害によるデータ不足

 日本政府がフランスに対し、シー・シェパード(SS)のポール・ワトソン容疑者の身柄拘束を求めた背景には、日本が伝統の鯨文化を守るため、反捕鯨国に強い姿勢で臨むことをアピールする狙いがある。

 SSは2003年に日本の捕鯨やイルカ漁を本格的に標的にして以来、寄付金収入を増やして急成長。メディアを巧みに操るワトソン容疑者の「日本の野蛮な捕鯨は違法だ」といった虚偽の主張が、反捕鯨国で大きな支持を集めるようになった。

 日本政府はワトソン容疑者が入国したオーストラリア、ニュージーランド、米国などに身柄拘束を請求してきたが、これらの反捕鯨国は事実上、拒否。ワトソン容疑者が指揮するSSの妨害行為はさらに激しくなり、船員に負傷者が出る事態にまで発展した。

 日本は昨年、国際司法裁判所(ICJ)の調査捕鯨訴訟で敗訴した。判決は日本の調査捕鯨は「科学的研究には当たらない」と判断したが、SSの妨害により鯨の捕獲が計画通りに進められず、南極海の生態系を分析するデータが十分に集まらなかったことが背景にあると指摘される。

 日本は今年、新たな計画書を策定し、12月に捕鯨船団を南極海に派遣する。ワトソン容疑者は既に「絶対に阻止する」と宣言しており、さらなる過激な妨害行為が予想される。

 SSの封じ込めを徹底しなければ、円滑な調査活動は望めないのが現状だ。

(佐々木正明)

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