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外れ馬券「経費」の初判断、予想はせず機械的に購入した「特異ケース」 求められる時代に即した課税実務

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外れ馬券「経費」の初判断、予想はせず機械的に購入した「特異ケース」 求められる時代に即した課税実務

 コンピューターを使った大量かつ継続的な馬券の購入は投資なのかギャンブルなのか。最高裁は1、2審同様、被告が予想ソフトで大量購入しているだけではなく、被告独自の条件設定や計算式を利用して、勝敗予想せずに機械的・網羅的に馬券購入を繰り返している点などを考慮して、ギャンブルを超えた営利目的の投資と認めた。

 ただ、最高裁は、被告のケースのみに当てはめて結論を導き出しており、同種事例に影響を与えることは確かだが、今後、大量購入していることで即、外れ馬券が必要経費として認められるわけではない。

 そもそも今回の問題の出発点は、最新の投資やギャンブル利用に対応できていない国税当局の課税実務にある。検察側が立件の根拠にしたのが「馬券配当は一時所得」とした昭和45年の国税庁による通達だが、40年以上前のもので被告のような購入方法を前提としていない。通達がもはや時代遅れなことは明白だ。

 情報通信などの技術革新がいつでも起こりうる現在、国税当局が想定していない投資方法は馬券問題に限らず出現する可能性を常に秘めている。大谷剛彦裁判官は個別意見で今回の判決を機に「本件に類する活動が考えられる」と危惧し、課税対象の明確化や特例措置を国税当局に促している。最高裁は国税当局に、時代の最先端を把握しつつ実態を見極め、納税者の公平・安定性も損なわない実務を進めるという、難しい課題を突きつけている。

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