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【海遊館訴訟・視点】処分の裁量幅広く認める 内容・社内対策・職責を事例ごとに判断 

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【海遊館訴訟・視点】
処分の裁量幅広く認める 内容・社内対策・職責を事例ごとに判断 

 何がセクハラに該当するかについて明確な線引きは難しく、過去のセクハラ訴訟は各事例をその時々の状況を踏まえて判断、処分について幅広い裁量を認めてきた。今回も、最高裁はこうした考え方に基づき(1)内容や性質(2)社内対策(3)処分を受けた男性の立場-などを具体的に検討した。

 判決では、被害者が1人で作業している際にセクハラがあったことを指摘し、1年以上繰り返されたことを考慮。会社側がセクハラ禁止文書を従業員に周知し、研修への全員参加を義務付けてきたことを踏まえて、男性2人を「管理職として社の方針を理解し、セクハラ防止のために指導する立場にあった。職責や立場に照らして著しく不適切」と断じている。

 また、セクハラの一般論として「不快感を抱いても、人間関係の悪化を懸念して被害申告を躊躇(ちゅうちょ)することも少なくない」と指摘。今回の事案でも会社側による事前把握は困難とみて、始めから重い処分としたことの正当性を認めた。

 幅広い裁量が許された企業側には、方針の社内周知や被害を申告しやすい環境を整えるなど、セクハラ対策に向けた真摯(しんし)な姿勢が求められている。(大泉晋之助)

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