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【民法改正】法定利率引き下げ、敷金…大刷新を“初めの一歩”に

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【民法改正】
法定利率引き下げ、敷金…大刷新を“初めの一歩”に

 明治時代に制定されて以来となる民法・債権分野の大改正。法相が法制審議会に改正を諮問した目的の一つは、「社会・経済の変化への対応」だった。制定から約120年の時を経て時代遅れになった条文を刷新する。

 例えば、法定利率の引き下げだ。これまでは年5%だったが、低金利時代にはそぐわない。3%に引き下げた上で、市中金利を反映する変動制を導入する。時代に合った納得性の高い改正内容といえるだろう。

 もう一つの目的は「国民への分かりやすさ」で、好例は敷金の定義だ。アパート入居時に大家に預けた敷金から転居時に差し引かれる「原状回復費」をめぐって嫌な思いをした-という経験を持つ人は少なくないはずだ。改正では敷金を「家賃の担保」と定義し、「原状回復に経年変化は含まない」と定める。基本法である六法の一つの民法に明記することで、消費者トラブルの回避につながる。

 法制審・民法部会は伝統的に「全員一致」を原則とする。民法は国民生活に密接に関連するため、より厳密なコンセンサス(合意)を得る必要があるからだが、各界の代表者からなる部会の議論などを経て、改正項目は当初の半分以下に減った。それでも、全員一致を貫いたからこそ、約款規定に反対していた経済団体も最終的に5年間の議論をご破算にはできず、改正要綱に賛成した。

 弁護士団体幹部は「改正要綱は良い意味でも悪い意味でも“妥協の産物”かもしれないが、初めの一歩。今後、さらなる改正を続ければいい」と話していたが、全くその通りだ。(池田証志)

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