産経ニュース

【誰が騙すのか(中)】「頭がよくなければできない」振り込め詐欺「騙し屋=かけ子」…通信制限できぬ現状に苛立つ警察

ニュース 事件

記事詳細

更新

【誰が騙すのか(中)】
「頭がよくなければできない」振り込め詐欺「騙し屋=かけ子」…通信制限できぬ現状に苛立つ警察

「かけ子」は携帯電話で高齢者に電話をかけ続ける(写真はイメージです)

 さらに、詐欺犯のものと判明した電話番号の利用をすぐに止められないことが、被害拡大の一因となっている。

 越谷署では昨年11月、越谷市に住む無職女性(73)が、長男をかたる男に350万円をだまし取られた。同署が携帯電話会社に契約者の確認申請をしようとしたところ、その番号は数日前、春日部署管内で別の高齢者から現金を詐取しようとしたとして既に申請されていた。

 捜査関係者は「春日部の段階で通信制限がかけられていれば、被害を防げたかもしれない」と悔しがる。

 NTTドコモなどによると、確認申請があった利用者には「電話機と身分証を窓口に持参して」などと依頼。反応がない場合は利用制限を検討する。この間の「約1週間」のタイムラグに、捜査員はいらだつ。

 犯罪学に詳しい立正大の小宮信夫教授(58)は「飛ばし携帯への対策はいたちごっこ。偽造身分証を見抜くのは難しく、警察による規制は通信の自由を侵害する恐れもある」と現状を指摘。「会話の中で主導権を握る術を高齢者が身につけ、自己防衛力を高めていくしかない」と話した。

 その主導権を握らせないかけ子は、組織で重用される。「それでも、かけ子は受け子という社員を動かしている『一支店長』でしかない」と捜査関係者。検挙できても、「本店」たる組織の上部はまだ遠い。

「ニュース」のランキング