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【三鷹ストーカー殺人控訴審】リベンジポルノめぐる立証 「情状の範囲超えている」 公判前手続きに課題

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【三鷹ストーカー殺人控訴審】
リベンジポルノめぐる立証 「情状の範囲超えている」 公判前手続きに課題

 リベンジポルノを過大評価したとして裁判員裁判判決を破棄し、審理差し戻しを命じた今回の東京高裁判決。ただ、裁判員の判断を否定したわけではなく、裁判の前提となる公判前整理手続きで、裁判官ら法曹三者による論点整理が十分でなかった点を批判した。

 高裁が判決で問題視したのは、起訴されていないリベンジポルノについて、画像投稿がどの程度閲覧されたかなどを詳細に立証した1審での検察側の手法だ。検察側は被告の刑の重さを裁判官や裁判員が検討する材料としたが、高裁は「情状としての範囲を超えた立証をしている」と批判。検察側の過剰な立証で、起訴されていない名誉毀損(きそん)罪についても事実上処罰するかのような結論になり、法令違反にあたるとした。

 高裁は検察側の行き過ぎた立証を許した背景について、1審開始前に裁判官、検察官、弁護士で行われる公判前整理手続きにあるとみる。「リベンジポルノが判決に影響する恐れがあったことは明らかなのに、量刑への影響を検討していないばかりか、適切な証拠調べの範囲、方法を検討した形跡もない」と不十分な論点整理を疑問視した。

 法律の専門家でない裁判員にとって、わかりやすい争点整理が前提として必要なことはいうまでもない。ただ、裁判員が加わる前に争点が狭まりすぎれば、「国民視点の反映」という本来の趣旨を損なう可能性もある。今回の判決を踏まえ、手続きのあり方について法曹三者が議論を深めることが求められている。

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