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【日本の議論】欧米で発覚「サイバー攻撃版・インサイダー取引」 日本は不正取引として摘発できぬ“時代錯誤”

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【日本の議論】
欧米で発覚「サイバー攻撃版・インサイダー取引」 日本は不正取引として摘発できぬ“時代錯誤”

 ある検察幹部は「(サイバー案件は)166条では無理そうだとは分かるが、157条の前例がほぼない中で、実際に立件となれば難しさもある」と見通しを示す。

専門家「新たな立法やガイドライン作成を」

 金商法に詳しい石井輝久弁護士は「捜査当局はまず不正アクセス禁止法での立件を考えるだろうが、一般の投資家に損害を与え市場の公平性を脅かす行為であるため、金商法での処罰が求められる」とし、157条の適用を検討すべきだという立場だ。

 また、専修大法科大学院の松岡啓祐教授(金融法学)も「理論上は157条を適用すべき」と指摘。米国では同様の条文で適用例が積み重なっており「日本でも157条を積極的に運用していくべきという学説が有力」という。ただ、両者とも「前例がなく、捜査当局もためらうだろう」と推察する。

 石井弁護士は、157条の適用範囲の曖昧さから「拡大解釈されて適用が相次げば、逆に市場が萎縮してしまうかもしれないという懸念もある」とし、適用する場合でも慎重な判断が求められるとの見解を示す。松岡教授も適用範囲を曖昧なままにした運用ではなく、サイバー攻撃を想定した新たな立法や、適用範囲を絞ったガイドラインの作成などを提唱している。

 日本国内で確認できていないだけで、同様のサイバー攻撃はすでに始まっているかもしれないのだ。

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