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【東日本大震災】自動車学校の過失認めた判決 「企業防災の見直しにつながる」

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【東日本大震災】
自動車学校の過失認めた判決 「企業防災の見直しにつながる」

 自動車学校側の過失を認めた仙台地裁判決は、大災害時に企業側が、従業員の安全を守る義務があるということを明確に示しており、企業の防災対策へ警鐘を鳴らした。

 判決では、教習生はもとより、同校のアルバイト従業員だった女性への安全配慮義務違反も認めた。震災の津波犠牲者遺族が学校や企業などを相手取った訴訟で、司法が企業の従業員に対する責任を認めたのは初めてで、原告側の三橋要一郎弁護士は「企業防災の見直しにつながる大きな意味がある」と評価した。

 一方、震災前に想定された津波の浸水域に教習所がなかったことなどから、災害対応マニュアルの事前整備の必要性までは認めなかった。しかし、震災後の「津波の予見性」については、消防車両が教習所前を通り、避難を呼びかけていたことから可能で、企業側に責任があるとの判断を示した。

 非常時に従業員の命を左右するのは企業の対応だ。未曽有の震災の教訓を生かし、さまざまな状況を想定した災害への備えが必要となる。悲劇を繰り返さないため、今一度、企業をはじめ学校など施設を管理する側の防災体制の見直しが求められている。(上田直輝)

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