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【新人記者奮闘す】プール事故死した3歳長男「生と死」の意味はどこにある…法廷の両親の思い、「再発防止」の願いは届くか

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【新人記者奮闘す】
プール事故死した3歳長男「生と死」の意味はどこにある…法廷の両親の思い、「再発防止」の願いは届くか

伊礼貴弘ちゃんの写真を貼り付けたボードが部屋には置かれている。貴弘ちゃんはカメラを向けるといつも満面の笑みになる元気な子供だったという

 神奈川県大和市の学校法人西山学園大和幼稚園の室内プールで平成23年7月、水遊びをしていた伊礼貴弘ちゃん=当時(3)、同市鶴間=が溺れて死亡した事故。業務上過失致死の疑いで起訴された元担任の女性教諭(24)=罰金刑が確定=と元園長の西山淳子被告(67)の公判には毎回、貴弘ちゃんの両親の康弘さん(40)と利奈さん(39)の姿がある。検察官席の後ろに座り、裁判の行方を見守り続ける2人の胸のうちにあるのは、「息子(長男)の死に意義を見いだしたい」という強い思いだ。(横浜総局 岩崎雅子)

「たかちゃんがお水を飲んじゃって」

 事故が起きたのは、23年の7月11日。プールの授業中だった。後片付けをしている最中に、貴弘ちゃんがうつぶせに浮かんでいるのを、別のクラスの担任教諭が発見。抱き上げた貴弘ちゃんは既に意識がなかった。

 「たかちゃんがお水を飲んじゃって」

 利奈さんの携帯電話が鳴ったのは午前11時58分だった。

 私用で横浜市内にいた利奈さんは「救護室でちょっと休んでるのかな?」と考え、すぐ迎えに向かった。

 「今どこですか?」。電車内にもかかわらず、何度も携帯電話が鳴る。あまりのしつこさに「何があったんですか?」と問いただすと、園側の答えは「意識不明です」。

 そこから利奈さんの記憶ははっきりしない。ただ、病院で出迎えた看護師が、利奈さんの肩にそっと乗せた手を震わせていたことだけは覚えている。

 貴弘ちゃんのクラス11人を担任していたのは新任の教諭だった。

 公判では、検察側は園側に、担任教諭の他に監視員を設けるなどの危機対策を取らず、また新任教諭へのプール遊びの際の安全指導が十分でなかったと不備を指摘した。

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