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【日本の議論】「パパ、パパ」閉ざされたドア 5歳長男は8年後、白骨化して発見された…行政はなぜ助けられなかったか

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【日本の議論】
「パパ、パパ」閉ざされたドア 5歳長男は8年後、白骨化して発見された…行政はなぜ助けられなかったか

斎藤理玖ちゃんの遺体が発見されたアパートの玄関前には、たくさんの花やお菓子が供えられていた=6月、厚木市下荻野

 厚木市の男児放置死事件が発覚してから30日で半年。各地で幼い子供が犠牲となる事案が後を絶たないが、衆院選という大きなうねりの中で、問題が見失われようとしている。虐待やネグレクトにどう対応すべきなのか。「閉ざされたドア」をそのままにしないため、関係機関の取り組みが続いている。(小林佳恵)

 再発をどう防ぐのか。「その後」の模索を関係者に聞いた。

 ■県子ども家庭課 菊池正敏課長(56) 児相職員の感度高める

 斎藤理玖ちゃんの事件を受け、県の第三者委員会が設置されて報告書が出された。その中でいくつかの提言を頂いたので、その具体化を目指しているところだ。理玖ちゃんのようなケースを二度と起こしてはならない。

 理玖ちゃんを救うことはできたと思う。例えば、Tシャツとおむつ姿で保護されたときは、家に帰した後で家庭訪問をする方針だった。しかし、担当者は理玖ちゃん以外にも多数の事案を抱え、結局のところ家庭訪問は行われなかった。

 そこで、今後は児童相談所の体制を強化し、職員の虐待に対する感度を高めねばならない。また、地域社会全体で子供たちを見守ることも必要で、虐待が疑われる場合は、まず市町村や児相などに通告してほしい。初期の段階で安全確認を行い、親と粘り強く対峙(たいじ)していくことが大変重要だ。

 ■谷戸自治会(横浜市瀬谷区) 清水靖枝事務局長(71) 「助けて」と言える地域に 

 児童虐待のほとんどが、育児ノイローゼが原因のように感じる。子供が生まれた家庭には、地域住民同士、積極的に「元気?」などと声を掛けるようにしている。シングルマザーらもできれば自治会に入り、地域と接点を持った方がよい。

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