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【日本の議論】「パパ、パパ」閉ざされたドア 5歳長男は8年後、白骨化して発見された…行政はなぜ助けられなかったか

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【日本の議論】
「パパ、パパ」閉ざされたドア 5歳長男は8年後、白骨化して発見された…行政はなぜ助けられなかったか

斎藤理玖ちゃんの遺体が発見されたアパートの玄関前には、たくさんの花やお菓子が供えられていた=6月、厚木市下荻野

 周辺の大人が異変を感じ取っていながら、誰も踏み込んだ対応を取らなかった。県子ども家庭課の菊池正敏課長(56)は「児相と教育委員会や小学校が連携すべきだった」と悔やむが、県の第三者委員会は報告書で「情報共有の不足」を断罪した。

 

 事件を受け、厚木市は今年6月に検討会議を開き、再発防止策をまとめた。市の担当部署や県警など関係機関で構成する「要保護児童対策地域協議会(要対協)」に報告するまでの流れをフローチャートでまとめた。

 虐待が疑われる児童本人や保護者と連絡が取れない場合、情報を把握してから2週間以内に必ず3回、家庭訪問する。それでも所在が分からない場合、要対協に報告する。関係機関で情報共有し、必要と判断すれば警察に届け出る。

 厚木児相も、子供への支援について職員同士が話し合う「援助方針会議」で、児相が関わった全ての子供の情報について話し合う仕組みをつくった。

 厚木市こども家庭課子育て家庭相談担当の吉崎直幸課長(57)は「市や県を超えて移動している場合もあり、自治体だけで居所不明児童を捜すのは難しい場合もある。国が情報を一元管理する仕組みづくりが必要」と話す。

 子供の見守りに力を入れる自治会もある。横浜市瀬谷区の谷戸自治会は、「おとなり場システム」という独自の仕組みを導入している。近隣10軒を1組として、各家庭のメンバーの名前▽緊急連絡先▽65歳以上の人や乳幼児がいるかどうか▽手助けは必要か-などを書き込み、共有する。

 もともとは災害対策のために作った仕組みだが、同自治会の清水靖枝事務局長(71)は「顔の見える関係づくりにつながっている。若い親とのコミュニケーションを取ることができる」と指摘する。

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