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【ニッポンの分岐点】暴力団(2)経済ヤクザ 企業に寄生したバブルの寵児

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【ニッポンの分岐点】
暴力団(2)経済ヤクザ 企業に寄生したバブルの寵児

 戦後最大級の経済事件「イトマン事件」など企業不祥事がその後も相次いで明るみに出た。銀行のずさんな審査による融資も事件の背景にあった。「利益重視の企業は暴力団を反社会的存在と知りながら近づいた。便利な存在で、うまく付き合えばよいといった企業モラルの欠如が顕著だった」と篠崎は批判する。

 銀行などが不良債権の回収などを進めるなか、5年の阪和銀行(経営破綻後に解散)副頭取射殺事件や6年の住友銀行(現・三井住友銀行)名古屋支店長射殺事件など企業側を震え上がらせる事件が相次いだ。暴力団の関与も疑われたが、この2件は未解決のまま時効を迎えた。

 江上は「事件の解決が見えないなか、企業は暴力団による『企業対象暴力』に恐れをなした」と指摘する。当時を知る警視庁関係者は「バブル経済の不祥事で企業経営者を逮捕などして責任追及できたが、甘い汁を吸った暴力団の上層部まで切り込めなかった」と後悔の思いを口にする。

 だが、バブルの寵児(ちょうじ)ともいえた宅見は警察の追及は逃れたものの、9年8月28日に神戸市内のホテルの喫茶店で他の最高幹部らと談笑中、61歳で射殺される。宅見に不満を持つ同じ山口組の中野会系組員による犯行だった。

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