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【日本海津波想定】10~20年間隔でくる大被害、活断層多く高くて早い到達時間

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【日本海津波想定】
10~20年間隔でくる大被害、活断層多く高くて早い到達時間

 ■到達時間想定外「計画練り直し」

 政府の調査検討会が26日に公表した日本海の津波想定は、最短1分で津波が押し寄せる日本海側の危険性を浮き彫りにした。沿岸では10~20年間隔で大きな津波被害が起きており、対策が急がれる。

 列島付近の日本海では、東日本を乗せた北米プレート(岩板)と大陸側のユーラシアプレートが東西から押し合っている。両者の境界付近には活断層とみられる海底断層があり、津波を伴う地震が起きる。断層が動く頻度は千年から数千年に1回と低いが、非常に多くの断層があるため、沿岸全体で見ると頻度は高い。

 政府が想定した地震の規模はマグニチュード(M)6・8~7・9で、太平洋側の南海トラフ(浅い海溝)や日本海溝で起きるM8~9級の巨大地震より小さいが、断層の角度が急なため、規模の割に津波が高くなりやすい。

 昭和58年の日本海中部地震(M7・7)は標高15メートルまで津波が駆け上がり104人が死亡。平成5年の北海道南西沖地震(M7・8)では同29メートルの津波が奥尻島を襲い、死者・行方不明者は230人に達した。

 第1波に相当する30センチの津波が到達するまでの時間は石川県輪島市、福井市などでわずか1分。断層が沿岸のすぐ近くにあるためで、こうした地域の対策は大きな課題になる。

 自治体の担当者は「1分だと対策はかなり難しい」(福井市)、「5分以内を想定し避難計画を立ててきたが、新たな計画を検討しなくては」(輪島市)と頭を抱える。

 検討会座長の阿部勝征東大名誉教授は26日の会見で「津波は普通の波と違って勢いがあり、30センチでも巻き込まれたら大人でも立っているのが困難だ。強い揺れを感じたら、揺れが続いていても直ちに避難する練習を普段から重ねてほしい」と呼び掛けた。

 想定で最大の津波高となった北海道せたな町は、北海道南西沖地震を起こしたとみられる断層が動いた場合を推定した。津波は崖地などで高くなるため、今回は防災上の重要性が高い平地の最大値も初めて公表。海岸線から200メートル以内で、標高8メートル以下の平地は北海道奥尻町で最大12・4メートルとなった。

 津波の継続時間が長いのも日本海の特徴だ。東北沖で発生した津波が沖合で反射し、1時間以上たってから中国地方に押し寄せるケースもあり、震源が離れていても油断はできない。

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