「2割節電」未達成 専門家「冬まで続けば全く足りない」

北海道震度7地震
節電のため一部電源が落とされたテレビ売り場=11日午後、札幌市中央区のビックカメラ札幌店(松本健吾撮影)

 地震の影響で電力不足への懸念が続く北海道。11日、日中の早い段階は目標となる2割の節電を維持していたが、夕方に近づくにつれて数値が悪化、前日に続く目標未達成となった。北海道電力はさらなる節電を呼び掛けるが、完全復旧の見通しが不透明な中、ぎりぎりの対応を続ける企業などからは不安の声も。専門家は「電力需要のピークになる冬まで現状が続けば、電力は全く足りなくなる」と指摘する。

 「普段はまじまじと見ないけど、電気がついていなければ寂しい。ススキノという気がしない」

 札幌随一の繁華街・ススキノ。街を象徴する「ニッカウヰ(イ)スキー」のネオンが消えているのを見上げながら、札幌市中央区の柴野(しばの)聡(そう)さん(34)は、しみじみと語った。目抜き通り沿いでは平時の半分以下しかネオンが点灯しておらず、柴野さんは「節電といわれれば仕方がない」と話す。

 この日も節電の動きは一層広まった。市立札幌病院(札幌市)は、新たに一部の患者用エレベーターの使用時間を短縮したり、トイレのエアタオルの使用を取りやめたりした。診療や病室の空調など患者に関わる部分については「影響を及ぼさないようにしなければならない」(担当者)。

 家電量販店大手「ビックカメラ」札幌店は店内の照明を7割消し、テレビなど売り物の家電も客に説明するとき以外は大半のスイッチを切るという。道内でコンビニエンスストア「セイコーマート」を1100店舗展開する「セコマ」(同市)は、基本的に全店舗の天井照明を半分とし、入り口や駐車灯も消灯するなど取り組みを進めている。売り上げに直接響くものではないが、担当者は「お店が明るい方が、皆さんも気持ちが明るくなる」と嘆いた。

 気象庁によると、11日は上空に氷点下5度の寒気が流れ込んだほか、中国大陸から移動する高気圧で天気が回復し、放射冷却現象が起きたことで気温が下がった。12日以降は平年並みに戻るとみられる。

 東京大の岩船(いわふね)由美子特任教授(エネルギーシステム工学)は「節電目標の『2割』は多めに見積もったもので、そういった意味ではきちんと節電がなされている。電力消費ピークの冬になる前に、業界ごとの節電目標を具体的に示すなど丁寧に説明した方がいい。誰がどこまで取り組んでいるのか分からなければ不信感が生じる」と話した。