【北海道震度7地震】内陸部でなぜ液状化? 札幌市清田区、谷地に盛土 耐震化遅れた水道管も被害拡大  - 産経ニュース

【北海道震度7地震】内陸部でなぜ液状化? 札幌市清田区、谷地に盛土 耐震化遅れた水道管も被害拡大 

【北海道地震】道路が沈下し、建物が傾いた住宅街=6日午後、札幌市清田区(宮崎瑞穂撮影)
液状化とみられる現象によって陥没した札幌市清田区の道路=10日午後
液状化の仕組み
 6日未明の地震で震度5強に見舞われた札幌市清田区では、内陸部にもかかわらず、臨海部や河川敷で起きやすい液状化現象が見られ地面の激しい隆起や陥没で地区の3割超の建物が傾くなどした。専門家は谷を盛り土で埋めた土地の特性で液状化が起きた上、揺れで抜けた水道管から漏れた水でさらに泥化したのが原因とみており、「同様の構造の土地は多く、どこでも起こり得る」と警鐘を鳴らす。
 6日未明、丘陵地帯にある清田区里塚地区。会社員の丸山庸江(のぶえ)さん(30)は、揺れで飛び起きて1階に下りた瞬間、床に違和感を覚えた。玄関を出て家の様子を見ると左に傾いている。再び家に戻り、ビー玉を探し出して置くと、勢いよく転がった。
 傾きは日を追うごとにひどくなっているように感じている。「大きな余震がきたら危ない」。心配そうにわが家を見つめた。
 市によると、建物の危険度を見る応急危険度判定で「危険」とされたのは83戸に上り、「要注意」も84戸で、問題が生じた建物は地区内の3割超に達する。水道管3カ所のつなぎ目が抜けているのも確認された。
 清田区では昭和43年と平成15年の2回の十勝沖地震でも液状化が見られた。市によると、地区は、沢が流れる谷地を山から切り出した土で埋める「谷埋め盛り土」という手法で造成されたという。
 地質学の専門家、横山芳春・地盤ネット総合研究所技術副本部長(40)は「かつて谷だった地域に台風による大量の雨水が集約し、液状化が発生しやすい条件だったところへ地震がきた」とみる。
 水道管の耐震化が進んでいないのも被害を拡大させたとみられる。8日に現地調査した京都大学防災研究所の釜井俊孝教授(斜面災害研究センター長)は水道管のつなぎ目が外れ「大量の水が地盤に入り込み地滑りが起きた」とみている。
 札幌市内の水道管は計約6千キロ。耐震化は年1・5%しか進まず28年時点で25%にとどまる。市水道局は「費用だけでなく、工事をする職員や業者の数の面でも限界がある」と難しさを挙げる。
 釜井教授は谷埋め盛り土は東京都内など関東でも多く行われているとして「首都直下地震などでどこでも起こり得る災害だ」と指摘。札幌市水道局は「液状化が3度も起きたことを考慮し、水道管の耐震化計画を今後検討したい」としている。