【北海道震度7地震】「困難に負けない子に」 震災直前、新しい命 - 産経ニュース

【北海道震度7地震】「困難に負けない子に」 震災直前、新しい命

【北海道地震】札幌白石産科婦人科病院で地震発生直前に産まれた廣瀬櫂くんを抱く、母の彩花さん=7日午後、札幌市白石区(宮崎瑞穂撮影)
札幌白石産科婦人科病院で地震発生直前に産まれた廣瀬櫂くんを抱く、母の彩花さん=7日午後、札幌市白石区(宮崎瑞穂撮影)
 最大震度7の地震が観測された6日未明、札幌市内の病院では新たな命が産声を上げていた。
 6日午前2時39分。札幌市白石区の「札幌白石産科婦人科病院」の分娩(ぶんべん)室で主婦の廣瀬彩花さん(27)は、2人目となる男の子を産んだ。
 身長は49・8センチ、体重は3366グラム。「お父さん似かな」。そんなことを考えながら、肌を触れ合わせて抱っこする「カンガルーケア」をしていた午前3時8分ごろ、突然、部屋がガタガタと揺れた。「何が起きているのか、よく分からなかった」と振り返る。
 電灯が非常灯に切り替わり、辺りが急に薄暗くなった。出産直後に北区内の自宅から到着した夫と助産師がとっさに手を伸ばし、赤ちゃんが落ちないように支えてくれた。揺れが収まってわれに返ると、安堵(あんど)と恐怖が交錯した。
 兄弟で「豪快に生きてほしい」と、長男の豪(ごう)ちゃん(2)に続き、次男は「櫂(かい)」と名付けた。櫂は舟をこいで前に進むための道具だ。「地震で多くの人が苦しんでいる。大変なときに生まれたことを忘れず、困難に負けない子に育ってほしい」。母はそう言って髪を優しくなでた。(中村翔樹)