【スルガ銀不正】不正常態化 役員も関与 刑事責任焦点に - 産経ニュース

【スルガ銀不正】不正常態化 役員も関与 刑事責任焦点に

不正融資問題に関する第三者委員会の調査報告書公表を受け、記者会見するスルガ銀行の有国三知男新社長(中央)ら=7日午後、静岡県沼津市
 スルガ銀行で役員も関わる不正融資が常態化していたことが7日の第三者委員会の報告書で判明した。仲介の不動産販売会社などと連携して融資書類を改(かい)竄(ざん)して年収などを水増しし、本来の水準を超えた金額をシェアハウスのオーナーに融資。返済に窮するなどしたオーナーの弁護団が告発状を警視庁に提出するなど追及は強まり、今後は刑事責任の有無が焦点となる。
 「そんなに預金ないだろう」。報告書などによると、営業部門から回ってきた融資書類をチェックする審査部門では勤続年数に比べて資産が多いなど不審点が話題になった。営業担当者に指摘すると、営業の所属長から「ふざけるな」などといわれ押し切られた。こうして蔓(まん)延(えん)した不正融資には一部の役員も「直接関与」していたという。
 5月にオーナー側の弁護団が警視庁に提出した告発状では有印私文書変造罪などに当たると指摘。捜査当局が動き出せば、不正の認識の度合い、指示系統などの解明がポイントとなる。
 不正融資立件は過去に複数の例があり、平成22年には融資先の売上高を水増しし、みずほ銀行から融資を引き出したとして、元行員らを東京地検が詐欺容疑で逮捕。元行員は融資の一部を受領していたとされる。
 今回の報告書ではスルガ銀の複数の行員が融資の見返りに販売会社からキャバクラなどでの飲食接待を受けていたとし、金銭受領の疑いにも言及した。
 捜査関係者は「利益のために不正に手を染め高額な融資をして銀行側に損害を与えたとなれば背任罪、経営幹部の関与が立証されれば特別背任罪に問われることも考えられる」と刑事事件の可能性を指摘する。
 また関係者によると、販売会社が物件販売価格を市場価格よりも割高に設定し、それをスルガ銀の複数行員が把握して融資したケースもあるという。販売会社を相手取り損害賠償訴訟を起こしたオーナーの代理人、加藤博太郎弁護士は「結託して不当に割高な不動産を買わせたとすれば詐欺罪に抵触する恐れがある」との見解を示す。
 スルガ銀は創業家の関連企業への数百億円規模の融資も明らかになっており、その妥当性も焦点となる。