【スルガ銀不正】スルガ銀 経営抜本改革 支援体制 構築厳しく 薄いメリット、買収現実味なし - 産経ニュース

【スルガ銀不正】スルガ銀 経営抜本改革 支援体制 構築厳しく 薄いメリット、買収現実味なし

静岡県沼津市のスルガ銀行本店=7日夜
 シェアハウス投資をめぐるスルガ銀行の不正融資問題。第三者委員会が「企業統治は機能不全に陥っていた」とする報告書を公表したことで、経営の抜本改革は不可避となった。スルガ銀は地方銀行として屈指の利益率を誇ったが、好業績を支えてきた個人向け融資での不正は経営への大打撃となる。金融市場では先行き不安が広がり、スルガ銀がメガバンクや他の有力地銀に経営支援を要請するシナリオも浮上。しかし支援体制構築は容易ではなく、経営立て直しの難航は必至だ。
 本業のもうけを示す業務純益7%増、最終利益16%増-。
 スルガ銀が平成29年3月期決算でたたき出した業績だ。同期の地銀全体の業務純益は18%減、最終利益は15%減だったことを踏まえれば仰天の数字だ。しかしその裏側では高利益率の維持を最優先するゆがんだ“利益至上主義”がはびこっていた。
 金融庁は、不正の舞台となった個人融資の新規受け付けを停止するなど一部業務停止命令の処分を検討。スルガ銀にとっては個人向け融資に次ぐ、「第2の柱」をいかに作れるかが再建のカギを握る。顧客に富裕層を多く抱えるなどの強みもあるが、顧客離れが深刻化すればダメージは必至だ。
 先行き不安は既に株式市場で表面化。今年1月時点で2500円を超えていたスルガ銀の株価は問題発覚後から下落。足元では500円台で推移するなど低迷が続く。金融機関の株価が5分の1程度に暴落する事態は異例だ。
 このため、市場では「スルガ銀の引き受け先がどこになるかに関心が移っている」(証券会社)。名前が挙がるのは3メガバンクや、横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つコンコルディア・フィナンシャルグループなど。国内外のファンドやスルガ銀と同じ静岡県を地盤とする有力地銀の静岡銀行、顧客基盤の拡大が課題のあおぞら銀行などの名前もささやかれる。
 ただ、スルガ銀は無理な経営をしてきただけに再建支援のメリットは小さいとみる金融機関は多い。メガバンクは国際業務を手がける銀行の財務健全化を目指す「バーゼル規制」への対応で、系列の地銀株を手放してきた経緯もあり、「メガバンクによる買収は現実的ではない」(関係者)。コンコルディアも東日本銀が金融庁から不適切融資で業務改善命令を受けたばかりで、経営体制の立て直しが最優先課題だ。常務以上の取締役5人が7日付で引責辞任し、新社長に有国三知男取締役(52)が就任したが、再建の道のりは険しそうだ。(飯田耕司)
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 有国三知男氏(ありくに・みちお) 立教大卒。平成元年駿河銀行(現スルガ銀行)。経営企画部キャスティング部長などを経て28年6月から取締役。7日に社長就任。静岡県出身。米山明広社長は退任。