「つぶれた家に夫婦が」 土砂崩れの厚真町、懸命に続く捜索

北海道震度6強地震
 地震で発生した北海道厚真町の土砂崩れ現場=6日午前8時18分(共同通信社機から)

 大規模な土砂崩れが起きた厚真町の朝日地区。山沿いは土砂が崩れ、民家を押しつぶしていた。警察官と自衛隊員、重機約10台が土砂の除去作業を続けていた現場で6日午前11時ごろ、1人が担架に乗せられ、毛布を持った警察官が周りを囲む中、車で搬送された。

 倒壊した家屋で行方不明になっている男性の親類だという園田義明さん(87)は「心配で車で駆けつけた」と話す。

 自身も倒れてきたタンスで額を負傷。妻もタンスの下敷きとなり、近隣住民に助けてもらったという。「(親類夫婦が)生きているかどうか、厳しいのではないか…」と涙を浮かべた。

 集落の寺は石門がなぎ倒され、完全に崩壊。押しつぶされた民家の近くに住む無職の幅田亮(まこと)さん(89)は「家の中はむちゃくちゃになってしまった」と話す。つぶれた家には夫婦が住んでいたといい「心配だ」と表情を曇らせた。

 一方、震源地の安平町でも住民が不安の色を浮かべていた。徳山国昭さん(73)宅は暖炉の煙突が崩れ天井を突き破り、周辺にれんがが散乱。台所は冷蔵庫が入り口をふさぎ、割れた食器で足の踏み場もない状態となっていた。

 天井は煙突の破片で断熱材がむきだしになり、空が見える。寝室の仏壇も倒れていた。「突き上げるような揺れで目が覚めた。ガラスが割れて歩けないため靴を履いて片付けようとしているが、もう住むことは無理じゃないか」。徳山さんも途方に暮れた。

 近くの酒屋兼豆腐店「新沼商店」の店内は、約200本あった酒瓶のほとんどが床に落ち、ガラスが飛び散っていた。

 裏の倉庫はブロックの壁が崩れ落ちている。店主の新沼光雄さん(63)は「4代続く酒屋だが、こんなことは初めてじゃないか。どれだけの被害額になるか分からない」と話していた。(杉浦美香)