【東京女子高生殺害】10代の妊娠、得られぬ理解…「サポートを」 - 産経ニュース

【東京女子高生殺害】10代の妊娠、得られぬ理解…「サポートを」

 嘱託殺人罪などに問われた少年の裁判員裁判では、当時17歳だった被害者が妊娠している可能性に気づき、思い詰めていた様子が明らかとなった。10代の出産は年間1万件以上報告される一方で、周囲の支援や理解を得るのが困難な場合も多く、国や民間団体が支援のあり方を模索し始めている。
 厚生労働省によると、平成28年の20歳未満の母親による出生数は1万1095人。同年度の20歳未満による人工妊娠中絶は1万4666件に上っている。
 高校在学中に妊娠したことで、厳しい立場に立たされる例もある。京都市の高校では、妊娠中の生徒に学校側が休学を勧め、「卒業には体育の実技が必要」と説明していたことが28年に判明し、議論を呼んだ。
 こうした状況を踏まえ、文部科学省は全国の公立高校を対象に実態調査を実施。27、28年度に妊娠を把握した生徒2098人の6割以上が退学や転学をしていた。文科省は今年3月、妊娠しても学業を続けるための支援のあり方を通知した。
 岡山市の大学講師らでつくる「妊娠した高校生の支援を考える実行委員会」は今年、在学中に妊娠した当事者らへのアンケートを実施。
 全国に相談窓口はあるものの、「悪いことをしているような気持ちの中、公の窓口に行く考えには至らない」「精神的サポート(が必要)」といった声が集まったため、支援体制の検討に乗り出している。
 元高校教師の同会メンバーで中国学園大講師、野村泰介さん(40)は「学校側には妊娠を問題行為とみなし、噂が広まる前に穏便に退学してもらいたいという空気も一部にはある」と明かす。
 野村さんは「目の前の女子生徒の安全やその後のキャリアをどう組み立てるかが重要。生徒は予期せぬ妊娠で頭が真っ白になり、長期的な視点を持てなくなると思うが、今後の長い人生を棒に振ることはあってはならない」と話した。