JAXA衛星使った事業提案…贈賄側、便宜期待し前統括官に接待攻勢か

文科省汚職
汚職事件の構図

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務をめぐる汚職事件で、贈賄容疑で逮捕された医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司(こうじ)容疑者(47)らが大手流通会社に、JAXAの通信衛星を利用した防災システムの事業化を提案していたことが11日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、谷口容疑者が事業での便宜供与を期待して、JAXA理事だった文部科学省前国際統括官の川端和明容疑者(57)=収賄容疑で逮捕=に接待を繰り返した疑いもあるとみて調べている。

 川端容疑者はJAXA理事に出向中の平成27年8月~29年3月、谷口容疑者が役員を務めていた医療コンサル会社に便宜を図るなどし、その見返りに東京都内の飲食店などで計約140万円相当の飲食接待を受けた疑いが持たれている。

 JAXAでは災害発生時に人工衛星を利用した被災地の緊急観測などの復旧支援事業を展開。その一環として超高速インターネット衛星を利用し、被災地での通信環境を支援する事業も行っている。

 関係者によると、谷口容疑者が役員を務めていたコンサル会社は関東の大手流通会社に対し、JAXAの人工衛星を利用し、災害時に被災した各店舗間での通信態勢を早期に復旧させるための通信システムを構築できると提案していたという。ただ、最終的な事業化は見送られていた。

 コンサル会社は当時、東京都西東京市内の電気通信工事会社と契約を結び、経営を支援していた。この会社は川端容疑者に対する飲食接待費の大半を負担しており、同社社長が接待の場に同席することもあったことが判明している。

 JAXAによると、理事7人のうち、川端容疑者は27年4月から総務、人事、広報、契約、財務などを統括する担当理事を務め、発注契約を審査する責任者も兼任していたという。

 特捜部は川端容疑者への飲食接待の様子が録音された音声データなどを押収。実態解明を進めるとともに、川端容疑者の職務権限に関する便宜供与について詳しく調べている。