【文科省汚職】「長き悪しき慣習」「負のレガシー」調査委、東京医大を批判 大学幹部「不正知らなかった」 - 産経ニュース

【文科省汚職】「長き悪しき慣習」「負のレガシー」調査委、東京医大を批判 大学幹部「不正知らなかった」

東京医科大の文部科学省の私大支援事業をめぐる汚職事件や、女子受験者の合格者数を抑制していた疑惑等の内部調査の報告を受け、会見を終え頭を下げる同大の行岡哲男常務理事(中央)ら=7日午後、東京・西新宿(斎藤良雄撮影)
 「長き悪しき慣行」「負のレガシー(遺産)」。東京医科大(東京都新宿区)の不正入試問題をめぐり、7日に調査報告書を公表した東京医大の内部調査委員会は、不正に女子や3浪以上の受験生の合格者数を抑制した行為を繰り返し批判した。一方、記者会見を開いた東京医大側は「断じてあってはならないこと」として何度も謝罪したが、不正行為については「知らなかった」と認識がなかったことを強調した。
 「女子差別をして社会を欺いた」。会見場となった都内のホテル。東京医大の調査委託を受けた内部調査委の中井憲治弁護士は、100人超の報道陣を前に辛辣な言葉を吐いた。
 冒頭から30分以上、立ったまま読み上げた報告書では、前理事長の臼井正彦被告(77)=贈賄罪で在宅起訴=の主導のもと、同大をめぐる一連の不正行為が存在したことを認定。特に不正な得点調整は長年にわたる「悪しき伝統」だったと指弾し、中井氏は国からの私学助成金を自主返還するよう要請。その上で「不正に関わった役職員を全員交代させるべきだ」と訴えた。
 また、臼井被告とともに在宅起訴された前学長の鈴木衛被告(69)と合わせ、「理事長や学長が自ら『公平性を損なう行為』に手を染めていたということであり、大学の自殺行為に近い」と非難した。
 一方、同じ会場で会見に臨んだ東京医大の行岡哲男常務理事と、宮沢啓介学長職務代理は深々と頭を下げ、不正の「根絶」を誓った。だが、得点調整のために不合格となった女子学生らへの対応を問われると、「関連資料を押収されてしまい、(対応まで)少し時間がかかる」と繰り返した。
 質疑では、最高幹部だった行岡氏や入試委員会メンバーを務めた宮沢氏をはじめ、現執行部に不正行為の存在の認識がなかったかについても質問が集中。行岡氏は「承知していない」とし、宮沢氏も「入試委で議論にならなかった」と認識はなかったとした。
 また宮沢氏は、不正入試問題をめぐる一連の報道の中で不正な得点調整を「必要悪」と指摘した大学関係者のコメントがあったことにも言及し、「とても現役の職員から発せられたと思えない」と困惑。「現場スタッフと臼井、鈴木の認識に大きくズレがあり、知らないところで行われていたのでは」と、組織的不正ではないとの認識をにじませた。