【文科省汚職】「省庁関係なく紹介」「官僚がたくさん手に入る」“霞が関ビジネス”の実態 - 産経ニュース

【文科省汚職】「省庁関係なく紹介」「官僚がたくさん手に入る」“霞が関ビジネス”の実態

谷口浩司容疑者が官僚接待に使ったとみられる東京・銀座の高級クラブなどの領収書
 文部科学省の局長級幹部が相次いで逮捕された今回の汚職事件で、贈賄側の谷口浩司(こうじ)容疑者に指示役がいた疑いが浮上した。「官僚とのパイプ」を強調して企業から資金調達し、中央省庁の官僚を接待漬けにして便宜供与を引き出す。そんな「霞が関ビジネス」の実態が明らかになってきた。(市岡豊大、山本浩輔)
54万円の領収書
 54万5千円、43万9500円、35万8400円…。産経新聞が入手した東京・銀座の高級クラブの領収書には、谷口容疑者が使ったとされる高額の接待費が書かれている。
 関係者によると、谷口容疑者は接待相手を高級クラブの個室に誘い、時にはホステスの体を触らせるなどの過剰なサービスをさせることもあったという。接待費は官僚らから便宜を受けたい企業に負担させていたとみられる。
 こうした「クラブ活動」(関係者)が実を結んだのは平成24年ごろだったといい、その相手こそ文科省前国際統括官の川端和明容疑者だった。
 「省庁に関係なく多数の官僚を順番に紹介してくれることになった」「これで官僚がたくさん手に入る」。谷口容疑者は夜の銀座で、川端容疑者から官僚らを紹介してもらう約束を取り付けた成果を周囲にこう明かしていたという。
コンサルの実態
 紹介された官僚の1人が前科学技術・学術政策局長の佐野太(ふとし)被告(59)=受託収賄(じゅたくしゅうわい)罪で起訴。頻繁に訪れた銀座の高級飲食店の個室で谷口容疑者は「学校を開くにはどうすればいいでしょうか」などと相談していた。
 同店によると、10万円前後の会計は常に谷口容疑者持ち。佐野被告が他の官僚を連れてくることもあった。店の関係者は「谷口容疑者はよくもうけ話をしていた印象がある」と振り返る。2人は家族ぐるみの親密な関係になっていく。
 関係者によると、谷口容疑者は数年前から東京都内の事務所で毎朝、指示役とされる医療コンサル会社元役員の男性に接待の成果を報告していた。2人が役員となった医療コンサル会社の女性社長は医療関係者に、国会議員経験のある別の女性役員は政界にそれぞれ人脈を持っていた。
「莫大な利益に」
 彼らの狙いは何だったのか。谷口容疑者らは26年ごろには病院や高齢者施設を対象とした不動産投資信託(REIT)に関心を持ち、厚生労働省や国土交通省などの関連部署に人脈を築こうとしていた。
 また、谷口容疑者は昨年4月、「省庁との調整役」(団体関係者)としてスポーツ普及団体の監事に就任。元役員は一般職員、女性役員は理事になり、女性社長が団体のホームページ管理を担当した。
 この団体は競技団体の法令順守状況を調べる「コンプライアンス強化事業」をスポーツ庁から約400万円で受託。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関連企業へ再委託した。
 谷口容疑者は団体発足に当たり、当時、JAXA理事に出向中だった川端容疑者から同庁幹部を紹介してもらったとみられる。谷口容疑者は受託について「莫大(ばくだい)な利益を生む」と周囲に話していたという。
 団体の関係者は「頭が元役員で体が谷口容疑者という関係だった」と語る。谷口容疑者と元役員は今年1月に除名されたが、団体側は理由を明かしていない。