防災事業での便宜浮上 JAXAは懐疑的「ピンとこない」 

文科省汚職
JAXA東京事務所のエントランス=東京都千代田区(桐山弘太撮影)

 川端和明容疑者が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の防災事業について贈賄側に便宜を図るなどした疑いが浮上した。ただ、贈賄側の谷口浩司(こうじ)容疑者は当時、医療コンサルタント会社の役員。JAXA関係者は「医療(コンサル会社)と言われても正直、ピンとこない」と首をかしげる。

 「(川端容疑者の)対外的な仕事は契約と広報くらいしかない」。JAXAの庄司義和広報部長は今回の事件に戸惑いを隠せない。

 JAXAの防災事業は人工衛星による通信環境支援がある。平成23年の東日本大震災では壊滅した通信網に代わり、可動式パラボラアンテナを現地で稼働し、ネット衛星を介して通信を復旧させている。

 JAXAによると、谷口容疑者の医療コンサル会社の受注は確認されていないという。ただ、医療コンサル会社が当時、経営について助言していた電波受信設備などを業務とする電気通信工事会社の存在が浮上している。

 一方、JAXAは28年11月、東京医科大(東京都新宿区)で開かれた創立100周年記念講演会に宇宙飛行士を派遣。同大幹部と親密な関係にある谷口容疑者からの依頼で開催直前に派遣が決まったとされる。

 宇宙飛行士の講師派遣は「狭き門」(JAXA関係者)だ。わずか3人の飛行士に全国から申し込みがあり、年間20~30回限定のため、派遣先は内部で選考するという。川端容疑者は全体を統括する総務担当理事だったが、JAXA広報担当は「合議なので恣意的(しいてき)には選べないはず」と話す。

 東京地検特捜部は川端容疑者による便宜供与の実態解明を進める。