上川陽子法相、死刑執行命令は16人で最多に

オウム死刑執行
オウム真理教の元教団幹部ら6人の死刑執行について記者会見する上川法相=26日午前、法務省

 一連のオウム真理教事件で残った6人の死刑が執行されたことで、上川陽子法相が執行を命じた死刑囚は計16人となった。これは法務省が死刑執行について公表を始めた平成10年11月以降で最多。これまでは19年8月から約340日間、法相を務めた故鳩山邦夫氏の13人が最も多かった。

 「慎重な上にも慎重な検討を重ねた上で執行を命令した」。上川氏は26日午前、東京・霞が関の法務省で記者会見に臨み、険しい表情で今回の執行についてこう述べた。6人が関与した一連の事件には「命を奪われた被害者やご遺族、一命を取り留めた方々の恐怖、苦しみ、悲しみは想像を絶する」と指摘した。

 上川氏は10年11月以降、同じ月に複数回執行したのは初とした上で、今回の時期について理由を問われると「個々の死刑執行の判断に関わる事柄であり、答えは差し控える」とかわした。死刑執行命令書は2日前の24日に署名したと明らかにした。

 刑事訴訟法で「死刑の執行は法務大臣の命令による」と定められており、執行の最終判断は法相がする。10年11月以降、在任期間中に執行を命じなかった法相は9人で、このうち在任期間が100日以上の法相は4人いる。

 杉浦正健(せいけん)氏は17年、就任会見で「死刑執行のサインをしない」と明言。その約1時間後に「個人の信条を吐露(とろ)した」と撤回したものの、約330日の在任期間で執行はゼロだった。

 また、23年1月から約230日間法相を務めた江田五月(さつき)氏は「悩ましい状況に悩みながら勉強している最中。悩んでいるときに執行とはならない」と命令を出すことを躊躇(ちゅうちょ)し続けた。

 一方、これまで最多だった鳩山氏は20年の会見で、「斎戒沐浴(さいかいもくよく)して(死刑囚に関する)記録を読む心境は穏やかではないが、社会正義実現のためにやらざるを得ないという思いでやってきた」と述べ、死刑執行は法相としての責務と強調。26年にはテレビ番組で、「いろんな倫理や宗教観などで死刑執行しない人は、絶対に法務大臣になるべきでない」と語っている。