神戸製鋼性能データ改竄事件 異例のスピード処分 相次ぐ不正に一罰百戒  - 産経ニュース

神戸製鋼性能データ改竄事件 異例のスピード処分 相次ぐ不正に一罰百戒 

神戸製鋼所神戸本社=神戸市中央区(沢野貴信撮影)
 神戸製鋼所の性能データ改竄(かいざん)事件は、納入先が600社に上るなど捜査範囲は膨大だったが、会社側が捜査に全面協力した上、東京地検と警視庁が大規模な態勢を組んだことで、6月の強制捜査から1カ月半でのスピード処分となった。背景には相次ぐ国内産業界の品質不正に厳しい姿勢を示したい捜査当局側と、影響拡大を抑えたい会社側の思惑があったようだ。
 神戸製鋼は昨年10月に不正発覚を公表し、検察OB弁護士による外部調査委員会を設置。製品が米航空機大手ボーイングなどにも納入されていたことから同月、米司法省が罰則付き召喚状「サピーナ」を現地子会社に出す事態となった。
 米国の司法制度はメーカーの品質不正に厳しいとされる。司法関係者によると、不正が大規模なほど罰金や和解金が巨額になり、経営陣が訴追される恐れもある。近年では製品欠陥問題に揺れたエアバッグメーカーのタカタが最大10億ドル(約1140億円)の支払いで米司法省と合意した。
 これに対し、日本の不正競争防止法違反(虚偽表示)の法人への罰金は3億円以下。米国法務に詳しい弁護士は「米国が国外企業から巨額の罰金を取ることへの国際的批判がある一方、日本の捜査当局は海外が絡む事件に消極的だと米国などから非難されている」と指摘する。
 近年、国内では三菱マテリアルや東レ、東洋ゴム工業など大手メーカーによる品質不正が相次ぎ発覚。不正が数十年にわたり、組織的だった神戸製鋼は悪質性の高い事案として注目された。捜査当局は同社の外部調査終了とほぼ同時期に捜査を開始。東京地検特捜部は警視庁の捜査員を大量動員する異例の合同捜査態勢を敷いた。
 会社側も調査結果を踏まえて捜査に全面協力した。「日本の捜査に協力することで、米国など海外での影響拡大を防げる可能性もある」(同社関係者)との観測もあったようだ。ある検察幹部は「一連の国内メーカーの品質不正に一罰百戒をもって厳しく臨む姿勢を示す必要はあった」と強調した。