【オウム死刑執行】賠償訴訟、長期化の様相 - 産経ニュース

【オウム死刑執行】賠償訴訟、長期化の様相

オウム真理教の後継団体「アレフ」が拠点を置く施設=6日夕、東京都足立区
 オウム真理教による一連の事件の被害者に対する賠償面での被害救済は、依然として進んでいない。被害者や遺族を支援する「オウム真理教犯罪被害者支援機構」は、教団の後継団体「アレフ」に未払い賠償金の支払いを求める訴訟を起こしているが、アレフ側は争う姿勢を示しており、完済までには長い期間がかかるとみられる。6日に会見した機構副理事長の中村裕二弁護士は「被害者の高齢化は進んでいる」と現状に焦りをにじませた。
 教団は被害者らから破産申し立てを受け、平成8年に破産。被害者が届け出た損害賠償請求権は約38億円に上った。20年に破産手続きが終結したが、債権の6割程度が残ったままとなり、後継団体のアレフなどが債務を引き継いだ。
 アレフは昨年11月までに元管財人が運営していた「サリン事件等共助基金」に約3億5千万円を送金してきたが、送金は「道義上の責任」との位置づけで、支払い計画が明確でない。
 機構は「法的な責任」を求めようと調停を申し立てたが不調に終わり、今年2月に東京地裁に訴訟を提起。訴訟ではアレフが基金に支払った額や、オウム被害者救済法に基づき国から受けた給付金約8億3千万円を差し引いた、約10億5千万円を請求している。
 公安調査庁によると、後継団体は、セミナーを開いて信者から参加費や布施を継続的に得ている。保有資産は28年10月末時点で約9億1千万円に上るといい、機構は「支払い能力はある」と主張する。
 アレフ広報部はホームページで、「会計処理が不透明」「被害者救済の受け皿たり得る根拠を明らかにしていない」などと機構を批判している。機構はアレフのこうした主張は支払いを先延ばしにする「口実に過ぎない」として、法廷での追及を進める考えだ。