【神戸製鋼データ改竄】生産能力超え受注 東京地検・警視庁、本社など家宅捜索 - 産経ニュース

【神戸製鋼データ改竄】生産能力超え受注 東京地検・警視庁、本社など家宅捜索

家宅捜索のため神戸製鋼東京本社に入る捜査員ら=5日午前、東京都品川区(川口良介撮影)
 神戸製鋼所の性能データ改竄(かいざん)問題で、不正があった製造部門では顧客からの発注が工場の生産能力を超えていることを把握せず、無理な受注を続けていたことが5日、関係者への取材で分かった。他社との受注競争が背景にあり、顧客の要求に見合う製品を安定して製造できない実情をごまかすためにデータを改竄したとみられる。東京地検と警視庁は同日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、東京本社(東京都品川区)などを家宅捜索した。
 ほかに家宅捜索を受けたのは、神戸本社(神戸市中央区)▽真岡製造所(栃木県真岡市)▽長府製造所(山口県下関市)▽大安製造所(三重県いなべ市)。不正を認識もしくは不正に関与した社員は40人以上に上り、地検と警視庁は資料を分析し、指示系統などの解明を進める。
 関係者によると、顧客が要求する性能に満たない製品は再検査や廃棄、別の製品に転用することになっている。しかし、実際に再検査などに回すと納期を守ることができずに損害賠償請求をされたり、他社に仕事を奪われたりする可能性があるため、こうした事態の回避に向けて改竄が行われていた。
 受注に関して「機会があればとりあえず受注」「できるだけたくさん生産して利益を上げる」という考え方が広がっていたという。
 神戸製鋼が今年3月に公表した最終報告書では、本社は収益が上がっている限りは現場の品質問題に関与してこなかったことを指摘した。
【用語解説】神戸製鋼所の性能データ改竄
 神戸製鋼所が製品の検査データを書き換え、取引先と決めた仕様を満たさない製品を納入していた問題。昨年10月8日にアルミニウムと銅での不正を公表し、その後さらに鉄粉や特殊鋼でも発覚した。納入先企業は海外を含め600社を超える。本体や子会社の一部拠点で日本工業規格(JIS)の認証取り消しや一時停止の処分を受けた。