会見詳報(3完)「テレ朝から抗議があり、福田氏から反論がないので認定した」

財務次官セクハラ疑惑
記者会見で厳しい表情を見せる矢野康治官房長=27日午後、財務省

 --弁護士から調査報告を受けたのは26日が初めてか

 伊藤豊秘書課長「途中経過の報告は受けていた。26日の朝に3回目の聴取をしたということで、これ以上はない」

 --今朝、官房長が官邸に行っていたが、この件を報告したのか

 矢野康治官房長「国政にも影響を与えているということで、首相秘書官、官房副長官らに調査結果をお届けした」

 --今回の処分は信用失墜行為ではなく、セクハラによる処分と考えていいか

 伊藤氏「結構です」

 --麻生大臣の発言、「名乗り出るのがそんなに苦痛か」という矢野官房長の発言が被害者の方に負担になるとご認識されているか

 矢野氏「ケース・バイ・ケースですし、被害者の方によって異なる。言ってはならないことだと思っている」

 --セクハラで悩む女性に、財務省の対応が恐怖を与えたという意見も聞く

 矢野氏「いろんな意見をいただいた。今のような意見もあり、いたずらに処分をしないままうやむやにするんじゃないか、旧態依然のあしき前例になるのではという批判もあった。新しい調査の成果が得られない状況の中で事実認定をし、こういう結果になった」

 --セクハラ、パワハラへの認識が足りない組織だという認識はあるか

 矢野氏「そういう統計があるわけではないので、客観的には分からないが、組織として対応を改めないといけないと認識している」

 --セクハラが常態化しているわけではないと言っていたが、他の被害は全く把握できていないのか

 伊藤氏「25日を締め切りとした調査では、今回の1件のほかは、報告いただけたものはなかった」

 --福田氏は主計局長時代から、女性だけを集めた囲む会を催していた。いくつかの卑猥(ひわい)な発言もあったと聞いている。同席者が状況を認識しているのでは

 伊藤氏「本件の調査においては、被害の方が特定の方というので、精神的な負担を与えてはいけないということで調査を終了すると申し上げた。記者と取材を受ける側でこういうことがあってはいけないので、どういう声を集めるか、1週間あまりの調査ではなかなか出てこないこともあるので、どういうところに訴えればいいか、今後に向けて検討したい」

 --会社に告発し、配置換えや異動をさせられた記者もいる

 伊藤氏「その件は把握していない」

 --外部の方からの問い合わせ窓口などは

 伊藤氏「具体的にこういうものをという考えは、今の時点ではないが、男性と女性の関係だけではないので、取材の中で不快なことを言われたという男性もいる。記者の方とも、どういう仕組みがいいのか、ご相談したい」

 --麻生大臣が会見すべきだったのでは。「はめられた」などの発言について謝罪や撤回は

 矢野氏「大臣はあくまで『という意見を聞いている』と発言した」

 --麻生大臣の意識を変えないといけないのでは

 伊藤氏「この会見の内容は大臣にも報告する」

 --第三者委員会をつくるなどの体制が必要では

 伊藤氏「調査を委託した弁護士事務所に第三者性がないという批判も承知している。私共と弁護士事務所との関係は、顧問契約を結んでおり、本件でも委託しているが、私どもが調査するよりも、専門の先生の方が話しやすいし、福田氏の調査でも私どもより弁護士の先生の方が厳しいことも聞ける。が、そこは誤解を受けた」

 「私共の委託先は非常に優秀な弁護士事務所ですが、委託しているわけで、第三者ではないというのは事実。紛争があった場合、第三者に委ねる方がいいというガイドラインもありますが、今回は、週刊誌報道という形で公開された中で話が進み、精神的苦痛もある事案。第三者機関では時間がかかるので、異論もあろうかと思う」

 --特殊な事案で終わってほしくない。幅広く調査していただきたい

 矢野氏「これは、省内に被害者がいる場合にも外にいる場合も、被害があった時点で、バリアフリーに話を申し出られるということがあってこそ、問題の芽がつめる。そういう仕組みをどうするか、すぐに告げられる仕組みを作るということだと思う」

 --今回、具体的な言動などはセクハラ行為と認定されていないということか

 伊藤氏「認定はできてない。こういう発言があったからセクハラと認定したというのではなく、テレ朝から『社員がセクハラを受けた』という抗議があり、福田氏から反論・反証がないので、認定した。こういう行為がセクハラだったと認定したわけではない」

 --抗議を受けて認定したセクハラでの処分ははじめてか

 伊藤氏「財務省として処分したというのは初めて」

 --処分を決める前に辞任したことについてはどう考えるか。連休で問題を収束させるつもりでは

 伊藤氏「18日に辞任の申し出があった。当日のぶら下がり会見でも申し上げたように、次官の職をこのまま続けることはできないと申し出て、麻生大臣が認めた。辞任が決まった後、被害者の会社から正式に抗議の発表があった。セクハラ認定の処分についてはステージが全く変わっている。そういう時間の流れです。これ以上の事実認定は難しいということで本日処分したのであって、連休前に駆け込んだのではない」

 --調査は25日が締め切りと決めていた。その前日に辞任したのでは

 伊藤氏「辞任の申し出があったのが18日。安倍首相や麻生大臣の外遊もあったので、最初の閣議が24日だったということ」

 --テレ朝が調査に慎重だから調査を打ち切るといっているが、調査に積極的なら新たな聴取を行うのか

 矢野氏「慎重というのは動きが鈍いということではなく、テレ朝が女性社員のプライバシーを丁寧に考えたということ。慎重というと、役人言葉で、『やりたくない』ととらえられるかもしれないが、テレ朝が後ろ向きということではない」

 --もっと幅広く調査はできるのでは

 伊藤氏「本件はテレ朝から抗議のあった、特定の方の調査なので、その方に負担をかける。新たな何かがあれば、それについて調査も行う。本件の続きで、追加処分も有りうべしと調査を継続するということではない」

 --女性記者からの1対1の取材を断るケースも出るだろう。今後の取材対応は

 伊藤氏「女性の記者だから取材を受けないということは考えていない。そういうことがないように、またあった場合にどういう被害救済ができるのか、私どもの研修、啓蒙(けいもう)で、取材を受ける側の意識をどうするか、検討していく」

 --すでに女性記者が取材をしたいというと、個室に入ることを断られるという事態がある。きっちり、現場の方に言ってほしいが

 伊藤氏「そういうことも伝えて、女性を逆に差別することがあってはならないと伝えていきたい」

 最後に矢野官房長と伊藤秘書課長は約10秒ほどお辞儀をし、1時間半に及んだ記者会見は終了した。