神戸製鋼捜査へ データ改竄問題で刑事責任追及 東京地検特捜部と警視庁

 
神戸製鋼所の神戸本社

 神戸製鋼所がアルミなどの製品で強度や耐久性のデータを改竄(かいざん)していた問題で、改竄が違法行為に当たる疑いがあるとみて、東京地検特捜部と警視庁捜査2課が刑事責任追及に向け、近く捜査に乗り出す方針を固めたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。不正競争防止法違反容疑などの適用を視野に捜査を進めるとみられる。日本を代表する企業による改竄問題は、刑事事件に発展する見通しとなった。

 同社に対しては、米司法省が書類提出を求めるなど違法性の有無に関心を持っているとされるほか、米国やカナダの消費者から集団訴訟を起こされるなど問題は国外にも波及しており、日本の捜査当局が同社の刑事責任を追及する必要があると判断したもようだ。

 改竄は長いもので約40年以上にわたって行われており、特捜部と2課は同社が改竄に手を染めた経緯を解明する。

 同社が今年3月、公表した外部調査委員会の最終報告書などによると、同社本体でアルミや鉄粉などで改竄が確認され、グループ会社でも行われていた。データが改竄された製品は600社以上に納入されており、三菱航空機の国産ジェット機「MRJ」や国内自動車メーカーの乗用車にも使われていた。

 改竄は「遅くとも1970年代以降」に始まったものもあり、中には役員が役員就任前に改竄に関与したり、知っていて黙認したりしていた例もあったという。また、正規のデータをシステムに入力した後、品質保証部門などで数値を改竄していたことも明らかになった。こうした改竄は「トクサイ(特別採用)」の隠語で呼ばれて長年引き継がれてきたという。

 データ改竄をめぐっては昨年3月、免震装置ゴムの性能データを改竄したとして、大阪府警が不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で東洋ゴム工業などを摘発。大阪地検は同社の子会社のみを同罪で起訴した。

 神戸製鋼の改竄公表後には、三菱マテリアルや東レの子会社でも改竄が発覚している。

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 神戸製鋼所データ改竄 神戸製鋼所がアルミなどの製品で性能データを改竄していた問題。顧客と約束した強度などの性能に届かない製品について、検査証明書のデータを書き換え、合格品のように装って出荷していた。神鋼は昨年10月8日、アルミなどの製品での改竄を公表したが、その後、鉄粉や特殊鋼などでも改竄があったことが発覚し、当時の会長兼社長が引責辞任に追い込まれた。