防犯カメラに見落とし 遺族指摘に群馬県警「発見は困難」

座間9遺体
白石隆浩容疑者

 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、警視庁が群馬県邑(おう)楽(ら)町の県立高1年、石原紅葉(くれは)さん=当時(15)=に対する殺人と死体損壊・遺棄容疑で白石隆浩容疑者(27)を再逮捕した31日、石原さんの両親は弁護士を通じコメントを発表した。コメントには「(県警に)防犯カメラの見落としがあった」と指摘する部分があり、群馬県警は同日、映像を見落とした過程を明らかにしたうえで、捜査の初期段階で「発見するのは難しかった」とした。

 両親は「事件性が明確にはならないことから、犯罪発生を前提とした捜査にはならず、その痕跡を辿(たど)っていただけなかったこと、そして防犯カメラの見落としがあったことも残念でなりません」とコメント。

 そのうえで、「私たちの心情を警察に対する批判と受け止められることは本意ではありません」とし、「警察の必死の捜査や私たち被害者に対するご支援には深く感謝しております」とした。

 石原さんは学校の始業式の日の昨年8月28日に失踪。群馬県警は石原さんの両親からの届け出を受理した翌29日、未成年者の特異行方不明事案として捜査を開始し、スマートフォンの位置情報から小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅(神奈川県藤沢市)にいたのを割り出し、大泉署員が防犯カメラ映像を確認した。

 カメラには28日午後7時ごろ、白っぽい服装で改札を出る石原さんが映っていた。当初、同県警はこの映像以外に石原さんを映すカメラ映像はないと判断していた。

 死体遺棄事件が発覚した10月31日以降、石原さんが巻き込まれた可能性もあったことから捜査情報を加味し、同じカメラ映像を再び解析。当初確認できた映像から数十分後の時点で、黒っぽいTシャツに着替え、帽子をかぶり、再び改札へ向かったとみられる石原さんの背面を映す映像を新たに発見し、警視庁に報告したという。

 県警によると、黒っぽいTシャツは石原さんが同駅に向かう途中で購入したものという。県警は、最初に防犯カメラを確認した際、石原さんが改札を出た後に着替えたなどといった情報がなかったため、「現場の捜査員が発見することは難しかった」と説明した。