「優しくてよく笑う子でした」群馬県高1女子の遺族 コメント全文

座間9遺体
白石隆浩容疑者が住んでいたアパート=神奈川県座間市(寺河内美奈撮影)

 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、警視庁高尾署捜査本部は31日、群馬県邑楽町の県立高1年、石原紅葉(くれは)さん=当時(15)=に対する殺人と死体損壊・遺棄容疑で、白石隆浩容疑者(27)を再逮捕した。再逮捕を受け、石原さんの両親が弁護士を通じ、コメントを発表した。コメントは以下の通り。

              ◇

 本日、私どもの娘を被害者とする件で、容疑者が再逮捕されました。親としての心境をまとめコメントします。報道関係者の皆様には多数の取材のお申し込みをいただいておりますが、取材をお断りしてきました。どうか私たちの心痛をご理解いただければ幸いです。また、今後とも私たち遺族、職場、学校や友人等への直接の取材はご遠慮下さいますようお願い申し上げます。

 8月28日に娘が行方不明になってから事件発覚まで約2ヶ月間、足取りが途絶えた江ノ島周辺に家族で何度も足を運び、少しでも何か手掛かりがないかと探しておりました。普段は人見知りで慎重、初めて会った人を信用してついていくようなタイプではありませんでしたので、どこかで野宿でもしているのではないか…と、最初の数日は公園などを中心に探しました。その後も思いつく限りの場所を回り、自作のチラシなども作成し協力をお願いしました。その節は、こちらから無理なお願いにもかかわらず沢山の方々のご協力を賜り、心より感謝申し上げます。お世話になった皆様に良い報告ができる日を待ちわびておりましたが、このような結果になってしまい無念というほかありません。

 1分1秒でも早く娘に会いたいという思いがありましたので、私たちが捜索をする中で知り得た娘の情報は、全て警察にお伝えしてきました。残されたスマートフォンから当日の足取りを調べ、何時何分にどこを通ったのか、何を購入したか等の情報も提供しました。しかし、事件性が明確にはならないことから、犯罪発生を前提とした捜査にはならず、その痕跡を辿っていただけなかったこと、そして防犯カメラの見落としがあったことも残念でなりません。結果的に、娘を救うことはできなかったかもしれませんが、犯罪発覚まで2か月以上もあのようなところに閉じ込められずに済んだのではないかと思うと、胸が締め付けられる思いです。

 このような私たちの心情を警察に対する批判と受け止められることは本意ではありません。今後二度と、このような悲惨な事件が起きないようにと願う遺族の気持ちとして受け取っていただければ幸いです。事件発覚から今日まで、警察の必死な捜査や私たち被害者に対するご支援には深く感謝しております。

 一部で、たびたび家出をしていたというような内容が報道されていたことに、私たち家族は、大変ショックを受けております。娘は、今まで一度も無断外泊をしたことなどありません。なぜこのような事実と全く違う内容が報道されるのか、非常に心を痛めております。

 身元判明から時間が経ち、亡くなってしまったことは理解しているつもりですが、報道を見ていてもどこか他人ごとのようで受け止めきれていない自分もおります。もっと優しくしてあげれば良かった、もっと話を聞いてあげれば良かった、あの日、学校を休んだことが分かっていたら…、全てにおいて後悔しかなく、考えれば考えるほど悲しみが増してきます。

 私も娘も、舞台やミュージカル、ライブを観るのが好きで、好きなアーティストも同じ。よく一緒に出掛けていました。行方不明になる前日も一緒に東京まで出掛け、また来ようね!と話していたのに…。12月と1月にもライブに行く約束をしておりましたので、帰って来ることを信じ、チケットを用意して待っていたのですが、残念ながらその願いが叶うことはありませんでした。

 また、美術系の大学か専門学校に行きたい、デザイン関係の仕事に就きたいという娘の夢を応援しておりましたので、私自身も目標を失ってしまい、娘のいない人生がどのようなものなのか、今は想像すらできません。

 娘は、友達の良いところばかりに目を向けられる、優しくてよく笑う子でした。友達とも、カラオケや映画、ショッピングなどよく遊びに行き、一緒に撮ったプリクラや写真などもよく私たちに見せてくれました。同年代の子に比べると、少し大人びた言動も多い子でしたが、反面、怖いテレビ番組を見るときなどは、『ママ、一人だと怖いからちょっと隣に座ってよ~』などと甘えん坊のところもありました。どこにでもいる普通の高校生だったのです。そのような娘の純粋な心につけ込み言葉巧みに誘い込んだ犯人に対し、強い憎しみを憶えます。

 今はただ、捜査の行方を見守ることしかできませんが、知りたくない残酷な事実と向き合わなくてはならない場面もあるのかもしれません。すべてが明らかになってほしい気持ちと、それを怖れる気持ちもあり、悲しみと共に複雑な感情で日々過ごしております。

 繰り返しになりますが、報道関係者の皆様には多数の取材のお申し込みをいただいておりますが、どうか私たちの心痛をご理解していただき、今後とも遺族、職場、学校や友人等への直接の取材はご遠慮下さいますようお願い申し上げます。

平成30年1月31日

 群馬在住の被害者の両親より

                        (原文ママ)