再発防止策でSNS規制踏み込まず 「死にたい」サインに対応

座間9遺体
白石隆浩容疑者が住んでいたアパート=神奈川県座間市(寺河内美奈撮影)

 神奈川県座間市で9人の遺体が見つかった事件を受けて作成された再発防止策は、会員制交流サイト(SNS)への規制に踏み込まなかった。表現の自由や通信の秘密などとの抵触を恐れたことも背景にあるが、政府はむしろ自殺願望者のサインをすくい取る手段としてSNSを積極活用する意向を示した。

 「被害者側の『死にたい』という書き込みと、加害者側が書き込んだ有害情報を一律に規制していくのは適切ではないと考えた」。再発防止策の作成に携わった政府関係者はそう話した。

 報告書では、自殺願望者の「死にたい」という書き込みは、「生きたい」というサインと位置付け、「自殺願望の書き込みを削除するという対応は適切ではない」と記載。自殺願望者が、適切な相談相手にアクセスできる体制の整備の必要性を示した。

 一方で、加害者側の書き込み対策は、事業者側の自主的取り組みが進んでいる。ツイッタージャパンの笹本裕代表取締役は産経新聞のインタビューに「利用者の安全を守れるような仕組みを強化していく」と強調。事件発覚後にルールを改め、「自殺や自傷行為の助長や扇動を禁じる」ことを明確にしている。

 政府も加害者側の書き込みに対して「監視の強化」を表明したが、政府関係者は「今回の策は緊急的にとりまとめたものなので検証をやって、今後どうするか考える」といい、将来的な規制の議論もほのめかした。