「死にたい」けど「迷い」 田村愛子さん、揺れ動く心書き込み 案じていた兄

座間9遺体

 「死にたいけど一人だと怖い」。被害者の田村愛子さんは殺害の約1カ月前、不特定多数が閲覧できるツイッター上でこんな書き込みをしていた。寂しい、苦しい、誰かに話したい-。白石隆浩容疑者は、そんな心の弱みにつけ込み、自宅に誘い出したとみられる。田村さんの兄は“死のふち”で揺れ動く妹の心を知り、行方を案じていた。

 田村さんは9月以降に作成したとみられるツイッターのアカウントで、自殺相手を募集するつぶやきを繰り返していた。「だれか一緒に死んでくれる方いましたらdm(ダイレクトメッセージ)ください」。9月20日のこの書き込みに、多数のユーザーが返信。その一人が白石容疑者だった。

 田村さんの失踪後、事前にパスワードを聞かされていた兄は、妹のアカウントへのログインに成功。アカウント上で情報提供を呼びかけ、他のユーザーとのやりとりの履歴などから妹の行方の手掛かりを探した。

 兄はこの時期の妹と他のユーザーとのやりとりについて「自殺に前向きな会話をしていました。具体的な日時や方法の提案などです」とつづった。ただ「具体的な話になると、やはり死ぬことへの恐怖感で会話を切り上げていた事も多いみたいでした」と、田村さんに自殺へのためらいがあったことも明かした。

 その後、田村さんは、白石容疑者と無料通信アプリなどで複数回のやりとりをしていたとみられる。心の揺れ動きを反映してか、やりとりは断続的で、数日の間隔が開くこともあった。

 事態が動いたのは10月23日。きっかけは田村さんから白石容疑者に送ったメッセージだった。「すみません。迷いがあって、返信を遅らせてしまいました。まだ決行可能でしょうか?」

 田村さんの兄は、後に白石容疑者と判明するこのメッセージ相手について「以前、妹の希望する練炭自殺を未遂になる可能性があるからと首吊りを提案した人でした」と説明。田村さんはこの数時間後、白石容疑者と待ち合わせ、白石容疑者の自宅アパートで殺害されたとされる。

 田村さんは白石容疑者に家族の話などをしていたという。「『死にたい』という言葉はなかった。本当に死にたいのではなく、ただ寂しい、話を聞いてほしいだけなのだと思った」。白石容疑者はそう気づきながらも、犯行に及んだ。

 兄が情報提供を呼びかけていた田村さんのアカウントは、事件の発覚後、一切の投稿がなされていない。