「どこかで生きていると…」 唯一の被害男性、西中匠吾さん捜索のバンド仲間が悲痛の声

座間9遺体
西中匠吾さんの捜索を続けていた、バンド仲間の寺田敏也さん(手前中央)ら=神奈川県横須賀市(村嶋和樹撮影)

 「どこかで生きていると信じていたが、最悪の結果になってしまった」。死亡が確認された神奈川県横須賀市の介護職、西中匠吾(しょうご)さん(20)がベースを担当していたロックバンドのメンバーが取材に応じ、無念の胸中を明かした。

 西中さんが失踪したのは8月29日。母親に「渋谷のライブハウスに行く」と告げて外出したまま自宅に戻らず、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の(相手がメッセージを読んだことを示す)既読の表示もつかなくなった。

 警察の捜査で、西中さんの携帯電話の位置情報が同県海老名市内で途絶えていたことが判明。バンドのリーダー、寺田敏也さん(34)は「事件に巻き込まれたのでは」と危惧し、尋ね人のチラシを作って情報提供を呼びかけた。

 「みんなにかわいがられる弟のような存在だった」という西中さん。ライブの打ち上げで仲間が酔いつぶれると、率先して介抱するしっかり者でもあった。8月に訪れたロックフェスティバルでは、ファンだった米ロックバンド「フー・ファイターズ」の演奏が始まると、人をかき分けて最前列に。「オレもああいう風になりたいんです」と夢を語っていたという。

 ただ、6月に精神的な不調で一時入院。退院直後は悩む様子が目撃されていたが、知人に「海外ライブがあるんだ」と話し、楽しみにしている様子もあった。

 西中さんは失踪する約2週間前の8月13日、被害者の一人の三浦瑞季さん(21)とともに白石隆浩容疑者に初めて対面。その後、三浦さんが行方不明になったため、安否を心配して白石容疑者のアパートを訪れたとみられている。寺田さんは「仲間が困っていたら助けに行くようなやつだった。犯人は許せない」と唇をかんだ。