「殺害目的でロフト借りた」「ロフトにかけたロープで首をつった」週1回ペースで殺害、遺体解体の連続殺人

座間9人遺体

 神奈川県座間市のアパート一室から9人の遺体が見つかった事件は6日、発覚から1週間を迎えた。警視庁高尾署捜査本部に死体遺棄容疑で逮捕された白石隆浩容疑者(27)は8月下旬から10月にかけ、ほぼ1週間に1人という特異なペースで殺害・遺体解体行為を繰り返していたとされる。過去にも女性らを狙った連続殺人事件はあったが、専門家は「この事件は猟奇性、反復性ともに前例のない連続殺人だ」と特異性を指摘している。

性癖満たすため?

 「殺害目的でロフト付きの部屋を借りた。ロフトにかけたロープで首をつって殺害した」

 白石容疑者は殺害方法をこう供述しているとされる。ツイッターでは「首吊(つ)り士」と名乗っており、首つりへの執着がみられる。

 こうした執着が犯行様態にみられる事件は過去にもある。平成17年にインターネット上の「自殺サイト」で知り合った男女3人を殺害した前上(まえうえ)博元死刑囚=21年に死刑執行、当時(40)=は、被害者が窒息して苦しむ姿に興奮する性癖を満たすために犯行を重ねていた。

 前上元死刑囚と計17回接見し、心理を分析した長谷川博一・こころぎふ臨床心理センター長は「前上元死刑囚の首絞めへの執着と同様に、白石容疑者にも首つりへのこだわりが垣間見える」と指摘する。

 白石容疑者の犯行の特異さは遺体の処理方法にも表れている。遺体を解体し肉は捨てた上で、頭部や骨を室内に保存していたという。長谷川氏は「保存行為にも性的嗜好(しこう)との関連がみられる。猟奇的行為への興味がこれほど広範にわたる例は珍しい」と分析した。

「冷却期間」置かず

 「8月に1人、9月に4人、10月に4人を殺した」と供述している白石容疑者の最初の犠牲者は、SNS(会員制交流サイト)で知り合った女性だった。

 その後、犯行頻度は高まる。9月、行方不明になったこの女性を捜しに白石容疑者の元を訪れた知人男性を殺害した後、3人の女性を立て続けに殺害し、10月にも八王子市の女性(23)を含む女性4人を殺害したとされる。

 短期間の連続殺人事件としては、宮崎勤元死刑囚=20年に死刑執行、同(45)=の事件がある。昭和63年、約4カ月の間に、いたずら目的で3人の幼女を誘拐して殺害。約半年後、4人目の幼女も殺害した。

 宮崎元死刑囚は犯行動機について「(幼女の)ミニスカートを見るとわくわくする」と供述。そうした感情が「ぶり返す」とも明かし、犯行への衝動には一定の周期があったことをほのめかしていた。

 長谷川氏は「宮崎元死刑囚には実際に行動を起こすまでに衝動を蓄積する冷却期間があった。しかし、白石容疑者にはそれが見られない。珍しい現象だろう」と指摘した。

誘い出し手口巧み

 白石容疑者はツイッターや無料通信アプリを使い、女性らを巧みに自宅に誘い出して犯行に及んでいた。

 女性を誘い出す巧みさは、大久保清元死刑囚=昭和51年に死刑執行、同(41)=に似ている。46年、16歳から21歳の女性8人を殺害した大久保元死刑囚は、親から与えられたスポーツカーを乗り回し、画家を装うなどして若い女性を車内に誘い込んで乱暴。殺害後は遺体を山林などに遺棄していた。

 長谷川氏は「白石容疑者にはスカウト業の職歴もあったが、本来は内向的で受動的な性向の持ち主だったとみられる。被害者を自宅に誘い出したのは、自分の欲望を解放できる場所がそこにしかなかったからではないか」と分析している。