冷蔵庫に保管か なた、ゴーグルも押収 「1、2人目解体に時間」

座間9遺体
白石隆浩容疑者がSNS(会員制交流サイト)を通じて千葉県の女性に送った自身の顔写真(女性提供)

 神奈川県座間市のアパート一室から9人の遺体が見つかった事件は、4日までの現場検証で新たな物証が見つかり、全容解明に向け前進した。5人分の身分証などに加え、7足分の婦人用靴を発見。のこぎりやきり以外に、新たに遺体解体に使用したとみられる、刃こぼれした「なた」も押収した。冷蔵庫に遺体を保存した形跡もあり、改めて事件の猟奇性が浮き彫りとなった。

最初の女性から50万

 室内から見つかった身分証などのカード類は5人分。医療機関の診察券▽キャッシュカード▽JR東日本のSuica(スイカ)-などだ。部屋にあった5つの女性ものの赤や黒のショルダーバッグや、リュックサックなどに入ったままになっていたという。このほか婦人用の靴が7足見つかっている。

 これら被害者のものとみられる所持品はごみ袋の中に入れられていたり、室内に無造作に置かれていたという。携帯電話などは見つかっていない。

 室内からは睡眠薬も発見された。白石隆浩容疑者は「何人かには酒や睡眠薬、精神安定剤を飲ませ、リラックスさせたところを襲った」と供述。白石容疑者はこれまで「部屋に連れ込む際、騒がれないように口をふさいだ」と、部屋に入れてすぐ殺害したような供述をしていたが、薬などで抵抗できないようにしたうえで、入念に犯行に及んだ可能性がある。

 また「最初に殺害した女性に金を持ってくるよう頼み、殺害後にバッグから50万円取った」とも話しているという。

ゴーグル、マスクも

 遺体の解体方法の詳細も浮かび上がりつつある。

 白石容疑者は「遺体は首を切断し、肉の部分はそぎ落として捨てた」などと供述。室内からは9人の切断された頭部と、腕や脚、肋骨(ろっこつ)などの大量の骨が見つかっている。

 これまでに室内の台所などから、包丁2本▽のこぎり2本▽なた1本▽きり2本▽調理用はさみ1本-などが見つかり、血痕が付着しているものや、刃こぼれしているものもあった。白石容疑者が数種類の刃物を使い分けて遺体を解体していた様子が浮かぶ。部屋の中からはやすりやゴーグル、マスクなども見つかり、これらも解体の際に使われていた可能性がある。

 室内に目立った血痕などはなかったが、浴槽のふち▽シャワーヘッドのつけね▽浴室前の廊下▽台所周辺▽冷蔵庫の内部や側面-から血液反応があった。冷蔵庫について白石容疑者は「1人目と2人目の解体に時間がかかったので使った」としており、遺体の一部を冷蔵庫に保管していた疑いが浮上した。

身元特定難航か

 捜査本部は今後、部屋から見つかった身分証などの所持品や、携帯電話の位置探査の記録などから、被害者である可能性が高まった女性6人から身元の特定を急ぐ。遺体のDNA型と行方不明者のデータベースとの照合や、親族からDNA型鑑定のための試料提供を受けるなどして身元特定を進める方針だ。

 また、白石容疑者の供述などから、6人とは別の2人についても身元に関する情報が浮上しているといい、こちらも鑑定試料の収集を進める。

 9人のうち2人は死後1~2週間程度だが、7人は死後1~数カ月ほど経過していた。損傷がとくに激しい遺体もあり、DNA型鑑定の特定が難航する可能性もありそうだ。被害者とみられる女性らの家族は強い精神的ショックを受けており、「鑑定のための試料提供などに時間がかかることもある」(捜査幹部)としている。