白石容疑者、豊富な自殺知識も投稿 ツイッターで「力になりたい」誘い巧妙

座間9遺体
白石隆浩容疑者がSNSを通じて知人女性に送った自身の画像

 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された白石隆浩容疑者(27)は、短文投稿サイト「ツイッター」上で自殺を望む女性を探し、連絡を取っていた。複数のアカウントを使い分け、コンタクトできた相手と無料通信アプリなどでやり取りし、自宅に誘い出す-。SNS(会員制交流サイト)を駆使し、相手を安心させて犯行に及ぶ巧みな手口が浮かび上がってきた。

 ■「首吊り士」名乗り

 《首吊りの知識を広めたい 本当につらい方の力になりたい》。9月15日に開設された「首吊り士」名のツイッターアカウントには、アニメ調のイラストととともに、こんな紹介が添えられていた。

 紹介文には「お気軽にDM(ダイレクトメッセージ)へ連絡ください」との書き込みも。DMは相手と非公開でやり取りができる機能で、白石容疑者はDMで自殺志願者らと接触を図っていたとみられる。

 「首吊り士」以外にも「死にたい」名のアカウントも所持。開設日は事件現場となった自宅アパートに転居した8月22日だった。

 「死にたい」のアカウントでは《消えてしまいたい 全部忘れたい》(8月25日)、《忘れたい 死にたい》(9月20日)などと吐露。これらの投稿は、白石容疑者と接触後に行方不明となった東京都八王子市の女性(23)が閲覧していた形跡も残っていた。

 一方、「首吊り士」では《もし、どうにもならなかったら言ってください お力になります》(10月1日)、《つらさに直面している時にすぐ死ぬべき》(同月3日)など自殺を後押しする投稿が目立つ。

 《自殺する前に友人、家族、SNSにこれから死にますや今までありがとうなど連絡を入れるのはNG》(同月6日)、《苦しむ時間で比べるなら首吊りのほうが短い》(同月14日)などと、自身の“自殺知識”をアピールし、具体的な自殺方法にも言及していた。

 ■犯行と重なる頻度

 9人の殺害時期を「8月に1人、9月に4人、10月に4人」と供述しているという白石容疑者。エスカレートする犯行に比例するように、投稿頻度は増え、内容もより具体的になっていることがうかがえた。

 捜査関係者によると、白石容疑者は知り合った相手には偽名を名乗っていたとされ、匿名で不特定多数の人と交流できるSNSの特性が悪用された格好だ。

 インターネット上で自殺志願する若者らを支援するNPO法人「OVA(オーヴァ)」の伊藤次郎代表理事は「現代社会で、自殺を考えるほどの悩みを抱えた若者は少なくない。ツイッターなどのSNSが、そうした人たちにとって、同じ境遇にいる人同士が支え合うよりどころとなっている側面がある」と解説。

 その上で「ただ、安易に利用してトラブルに巻き込まれる危険性もある。悲劇を繰り返さないためにも、若者たちのSOSを受け止める社会の受け皿を作る必要がある」と指摘した。