舛添要一前都知事、自宅事務所531万円計上 けじめの別荘売却はせず

政治資金
6月15日、本会議の最後に退任の挨拶をした舛添要一都知事。最後に一礼して退席した=東京都庁(松本健吾撮影)

 政治資金の「公私混同」問題で6月に東京都知事を辞職した舛添要一氏が代表を務める政治団体が昨年、ファミリー企業の「舛添政治経済研究所」に、事務所の家賃計531万円を支出していたことが24日、東京都選挙管理委員会が公表した平成27年分の政治資金収支報告書で分かった。事務所やファミリー企業は舛添氏の自宅にある。

 また、舛添氏が疑惑への「けじめ」として売却を約束した神奈川県湯河原町の別荘が、24日現在も舛添政治経済研究所名義のままであることも登記簿謄本から判明した。

 舛添氏の政治団体「泰山会」の報告書によると、舛添氏は事務所の家賃を舛添政治経済研究所に支出。家賃は月44万2500円で、27年は計531万円を支払った。泰山会の同年の収入は約6192万円。うち2885万円は、2回の政治資金パーティーで集めた。

 支出では、法律で報告書への記載を義務付けられていない「5万円未満」が多く計上され、詳細不明の項目が多い。舛添氏が購入した美術品の代金を報告書に記載したことに批判が集まったが、同年分でも浮世絵などの専門店に資料代計約19万円を支出。ただ、資料代などとして、ほかに計上した約177万円の詳細は記載されなかった。

 会議費や交際費などの「組織活動費」は約125万円だったが、詳細が記載されたのは都内のホテルへの約5万9千円と中国料理店への約6万9千円の2件だけで、その他の100万円以上の使途は不明のままだ。

 また、知事在任中、似顔絵が描かれたまんじゅう代を計上したことも問題となったが、同年2月の政治資金パーティー直後に同じ菓子製造会社に記念品代約18万5千円を支払った。

 舛添氏が辞職前に発表した弁護士による調査報告書では、私的な飲食が多く、美術品も趣味的色彩が強いとして「違法ではないが不適切」と結論付けている。

 日大法学部の岩井奉信教授(政治学)は事務所の家賃について「政治資金が舛添氏本人に還流している可能性がある」と問題視。「本人が使途を説明し、不適切な部分があれば報告書を訂正することも必要だ」と指摘している。

 産経新聞は舛添氏側に取材を申し込んだが、回答はなかった。