M7.3、活断層が想定超え27キロ動く 東側は阿蘇山に到達していた…地震調査委が発表

熊本地震
断層と見られる亀裂=17日午前11時51分、熊本県益城町(本社ヘリから)

 政府の地震調査委員会は17日、熊本県で16日未明に起きたマグニチュード(M)7.3の地震は活断層の「布田川(ふたがわ)断層帯」が活動して起きたとの評価結果を発表した。動いたのは同断層帯北東端の「布田川区間」を含む約27キロで、断層の東側は調査委が想定していなかった阿蘇山のカルデラ(くぼ地)に達していたと明らかにした。

 調査委は布田川区間(長さ約19キロ)で起きる地震をM7.0程度と想定していた。今回の断層は同区間の長さと比べ東西に数キロずつ長く、地震の規模が大きくなった。

 会見した平田直委員長は「火山のカルデラでは土砂崩れが起きるため、断層運動で地表にずれがあっても痕跡がなくなる。断層の判断は難しく、短めの評価となっていた」と説明し、さらに詳しく調査する必要があるとした。

 調査委は布田川区間の地震発生確率は30年以内に最大0.9%で、全国の主な活断層の中で「やや高い」と評価していたが、最大1%以上の活断層は全国の約半数を占める。阪神大震災の活断層地震が最大8%の確率で起きたのと比べても高い数値ではなかった。

 平田氏は「この程度の数字でも、実際に大きな地震が起きてしまった。日本全体で地震は頻繁に起きている。自分のこととして考えて備えてほしい」と呼び掛けた。

 また、個別の断層ではなく、調査委が平成22年に導入した地域単位での確率評価では、布田川断層帯を含む九州中部でM6.8以上の地震が30年以内に起きる確率は18~27%と、高い数値を公表していた。

 調査委は14日に起きた熊本地震(M6.5)については、布田川断層帯と交差する日奈久(ひなぐ)断層帯の北端にある「高野-白旗区間」が活動して起きたと評価している。一連の地震活動は、2つの断層帯が連動するように起きたとみられる。

 一方、現地調査している東北大の遠田晋次教授は、16日未明の地震で地表に現れたとみられる断層を熊本県益城町で発見。布田川断層帯に沿って延びており、地面が横に約2メートルずれたことを確認した。

 気象庁によると、一連の地震の活動範囲は北東に移動していたが、日奈久断層帯の南西部でも活発化している。遠田教授は「南西部に断層の割れ残りがあると考えられ、余震に注意が必要」と指摘している。

【用語解説】活断層の地震予測

 活断層で起きる地震は、過去の活動間隔や最新の活動時期などを調べて予測する。政府の地震調査委員会は全国の主な活断層で掘削調査などを実施し、想定される地震の規模や30年以内の発生確率などを公表。最大確率がおおむね3%以上を「高い」、0.1%以上を「やや高い」と評価しており、最大は糸魚川-静岡構造線断層帯の30%。ただ調査は困難で確率が不明な断層も多い。