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【環球異見・トランプ氏のメディア戦争】独立性こそ最重要の価値 サンフランシスコ・クロニクル(米国)

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【環球異見・トランプ氏のメディア戦争】
独立性こそ最重要の価値 サンフランシスコ・クロニクル(米国)

報道の自由の必要性を訴え、トランプ氏に反論する社説を掲載した8月16日付のニューヨーク・タイムズ(AP) 報道の自由の必要性を訴え、トランプ氏に反論する社説を掲載した8月16日付のニューヨーク・タイムズ(AP)

 トランプ氏に反論する一斉社説の掲載キャンペーンには、有力紙であるワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルなどを含めて同調しなかった社も多い。主な理由は、独立性を保つためだ。

 西部カリフォルニア州のサンフランシスコ・クロニクルは8月17日の電子版で「なぜ一斉社説に参加しなかったのか」と題した解説記事を掲載。「読者のみなさんは、当然弊紙もキャンペーンに加わると確信しただろう。しかし、私たちの決定は違った。なぜなら、独立性はわれわれが最も重視する価値の一つだからだ」と訴えた。

 さらに「これまでも独自にトランプ大統領批判を十分展開してきたという自負がある」として、トランプ氏の就任以降掲載してきた大統領批判の社説やコラムの数々の抜粋を紹介。「今回の私たちの沈黙は、今後も独自のやり方で報道の自由を守る戦いを続けるという信条表明である」と結んだ。

 ワシントン・ポストは19日のコラム(電子版)で、この種のキャンペーンは「メディアは大統領批判をするとき、やみくもに徒党を組みたがる存在であるという状況証拠をトランプ氏に与えてしまい、逆効果だ」という識者の見方も伝えた。

 米国には約1300の日刊紙があるとされ、今回のキャンペーンに参加した社は決して多数派というわけではない。特に地域性を重視する地方紙の不参加が目立った。

 今年6月、銃撃を受けて記者ら5人が殺害された東部メリーランド州のキャピタル・ガゼットもその一つだ。同紙は16日の記事(電子版)で不参加の理由を説明。「趣旨に賛同しないというわけではない。しかし、はっきり言って、大統領の考えていることなどわれわれには重要ではない。だから同調しない。地域の人々が何を考え、何を私たちに期待しているかこそが、より大きな関心事なのだ」と力説した。

 そのうえで「報道機関の連帯が理由で、大統領が認識を変えるとも思えない」と指摘した。(佐渡勝美)

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