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【ポトマック通信】
カニにも人格がある?

 首都ワシントンを含む米北東部の夏は、カニの季節でもある。

 カニの一大産地、チェサピーク湾を望む漁師小屋のようなレストランで、塩やスパイス入りの熱湯でゆで上げたカニの甲羅を素手でこじ開け、木づちなどを駆使しながら肉を取り出して口に運ぶのは、この時期ならではの楽しみだ。

 9月には、首都に隣接するメリーランド州の州都アナポリスや最大都市ボルティモアで恒例の「シーフード祭り」が開かれ、各地からカニ好きが集結する一大行事として定着している。

 ところが、これに対し動物愛護団体「PETA」が物言いをつけた。ボルティモアの海鮮料理店が集まる一角に、カニの絵とともに「私は肉ではない。菜食しよう」などと書かれた巨大な立て看板を掲げたのだ。

 PETAは「カニにも命や人格があり、痛みも感じる」と主張する。生きたまま釜ゆでにするなど「言語道断」というわけだ。しかし、地元住民も黙ってはいない。ツイッターには「私たちにカニを食べるなというのは無理な相談だ」などとする反論の書き込みが殺到した。

 PETAの主張の当否は論じない。ただカニが並ぶ食卓に格好の話題を与えたという意味で、「議論を提起する」という同団体の目的は果たされたといえそうだ。(黒瀬悦成)

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