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【激動・朝鮮半島】北はなぜ早々に日本人解放を決定したのか…米学生死亡の教訓? 外交カードにはならず?

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【激動・朝鮮半島】
北はなぜ早々に日本人解放を決定したのか…米学生死亡の教訓? 外交カードにはならず?

北朝鮮による過去の外国人拘束 北朝鮮による過去の外国人拘束

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は26日、拘束した日本人観光客の解放決定で「人道主義」を強調した。米韓との対話でこれまで人道問題を巧みに“外交カード”に利用してきたものの、メディアを通じ日本人拉致問題を「解決済み」だとし、日本による朝鮮半島支配の「過去の清算」が先決だと主張。日本との溝が埋まらない中、今回の解放が日朝対話の呼び水になるとは判断しにくい。

 北朝鮮が朝鮮戦争で戦死した米兵遺骨の返還と並んで「人道主義」をトランプ米政権との対話につなげようとしたのが、拘束した米国人3人の5月の解放だ。

 半面、約1年半拘束していた学生のオットー・ワームビアさんを昨年6月に昏睡(こんすい)状態のまま、帰国させ、ワームビアさんが間もなく死亡した問題では、米世論の激しい怒りを買い、トランプ政権によるテロ支援国家の再指定を招いた。この対応で外国人をむやみに拘束し、人質扱いすることが大きなリスクを伴うと教訓を得た可能性がある。

 今月初めには、7月下旬に不法越境した30代の韓国人男性を「人道主義」に基づいて早々に送還した。

 一方で、南北の関係改善が急速に進む中でも、宣教師や元脱北者らスパイ罪などで拘束された韓国籍の6人の解放には依然、応じていない。スパイ罪など、体制の脅威になるとみなした事案では、厳しい姿勢を示したままだ。

 解放された米国人3人のうち、スパイ容疑を適用された男性の抑留期間は2年半以上に及び、1999年に同容疑で拘束された日本の元新聞記者も2年以上拘束された。今回、解放が決まった日本人は、軍事施設を撮影した疑いをかけられたとの情報もあるが、経歴などからスパイ容疑には当たらない軽微な事案として処理された可能性もある。

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