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【米中貿易摩擦】「中国経済が長期減速に陥る事態も」 東京財団政策研究所の柯隆(か・りゅう)主席研究員

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【米中貿易摩擦】
「中国経済が長期減速に陥る事態も」 東京財団政策研究所の柯隆(か・りゅう)主席研究員

東京財団政策研究所の柯隆主席研究員=20日、東京都港区(三塚聖平撮影) 東京財団政策研究所の柯隆主席研究員=20日、東京都港区(三塚聖平撮影)

 中国は米国との事務レベル協議に商務次官を送るなど関係改善の意欲を示し始めたが、中国を取り巻く厳しい国際環境からすれば遅すぎた判断と言わざるを得ない。米国との国力の違いを比較した際に中国側は自らの実力を過大評価し、トランプ米大統領の決意も甘く見ていたのだろう。

 米側は2千億ドル相当にも及ぶ第3弾の大規模制裁を準備しているが、これが発動されれば中国経済は相当なダメージを受ける。短期的には、輸出にブレーキがかかって業績が低迷した企業がリストラに走り、雇用環境の悪化に伴う社会不安の増大という中国側が最も恐れる状況を招く恐れがある。長期的には、多国籍企業を中心に生産能力の一部を中国外に移す可能性もあり、中国経済が長期間減速する事態に陥りかねない。

 今後は中国側が表に出ない形で譲歩案を示し、首脳会談が実現可能なレベルに達するまで折り合えるかが焦点となる。最悪のシナリオは、中国が国内改革をせずに報復カードを切り続け、とことんまで貿易戦争を続けることだ。中国が切れるカードは米側より少なく、報復措置に限界があるのは目に見えている。

 改革開放から40年間で、これほど強い外圧を中国が経済問題で受けたのは初めてのことだ。外圧をテコに国内の抵抗が強い国有企業改革を進めるなど、中国経済の「危機」を「好機」に転じさせることもできる。今、習近平国家主席の知恵が試されている。(聞き手 三塚聖平)

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