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孔子学院に強まる閉鎖圧力 米国内で初の規制立法も

 【ワシントン=黒瀬悦成】「貿易戦争」などで米国と中国の対立が先鋭化する中、全米の大学などに設置されている中国政府の非営利教育機構「孔子学院」に対する懸念と閉鎖要求が改めて強まっている。

 今年に入ってテキサス農工大、西フロリダ大、北フロリダ大で孔子学院の閉鎖が相次ぎ決まったのに続き、中西部ミネソタ州では州議会議員41人が7月、孔子学院が設置されている州内のミネソタ大と聖クラウド州立大に孔子学院の閉鎖を求める書簡を連名で送付した。

 州議員らは書簡で「孔子学院は大学の研究活動を脅かしている」と指摘した上で、米大学教授協会による過去の孔子学院との関係断絶勧告を引用し、孔子学院は「学問の自由を無視している」と訴えた。

 ただ、両大は現時点で閉鎖に否定的な意向を示しているという。

 一方、今月13日に成立した、2019会計年度(18年10月~19年9月)の国防予算の大枠を定める国防権限法では、孔子学院の活動に制約をかける初の措置として、全米の教育機関で実施している外国語教育プログラムの予算が孔子学院に流れるのを国防総省が阻止する条項が盛り込まれた。

 国防総省は、全米の大学院生向けに安全保障上重要な地域の言語を高い水準で習得させる「言語フラッグシップ」と称するプログラムを展開し、12大学で中国語の講座を設けている。

 ただ、これら12大学のうち8大学では孔子学院も設置され、授業や各種活動で同省の講座と提携しているケースもある。

 そのうちの一校である西部アリゾナ州のアリゾナ州立大では今年4月、親中派とされる副学長が「国防総省が(同大の)孔子学院に資金を提供している」と発言。実際にはそのような事実はなかったものの、中国国営メディアが「資金提供は国防総省が孔子学院を脅威とみなしていない証左だ」などと報じたため、国防総省は同大に対し、同省系の中国語講座と孔子学院の活動を完全分離させると通告した。

 国防権限法の条項は、アリゾナ州立大での騒動を受けた措置。国防総省の中国語講座は安全保障関連省庁への「登竜門」と位置づけられ、各大学とも誘致に熱心なだけに、この講座が開かれている大学に対しては、講座を維持する代わりに孔子学院を閉鎖させる間接的な圧力になることが期待されている。

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