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【ガンジスのほとりで】日本人を乗せた「記念日」 パキスタン人が親中に変わる日

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【ガンジスのほとりで】
日本人を乗せた「記念日」 パキスタン人が親中に変わる日

5月に試験運転が行われた中国の投資で建設が進むパキスタン東部ラホールの鉄道計画。パキスタンでは膨張する対外債務が課題となる 5月に試験運転が行われた中国の投資で建設が進むパキスタン東部ラホールの鉄道計画。パキスタンでは膨張する対外債務が課題となる

 「日本人を車に乗せたのは初めてだ。記念すべきことなので料金は不要だ」

 パキスタンの首都イスラマバードでタクシーに乗った際、30代とおぼしき運転手の言葉に驚いた。かつて反日ムードが高まった某国で日本人と分かった瞬間、「降りろ」と告げられたことはあるが、タクシーで「無料でいい」と言われた体験は初めてだ。

 なんでも父親が1990年代に日本に出稼ぎに来ており、技術力やマナーの良さを伝え聞いたという。こちらが恐縮するほど日本を持ち上げ、「子供心に父親は未来の国に行ったと思った」と振り返った。

 パキスタンで日本の存在感は高く、象徴的に語られるのが車のシェアだ。パキスタン自動車工業会によると、2016年7月から1年間に販売された乗用車18万5781台のうち、1台をのぞくすべてが日本車だ。工業会に非加盟のメーカーもあり、実態を完全に反映した数字ではないが、「少なく見積もって街を走る車の95%は日本車だ」(日系企業幹部)という。

 近年のパキスタンでは中国が巨額の資本投下を通じ、影響力を強めている。新首相に就任するイムラン・カーン氏も「中国から学びたい」と話し、親中路線を維持する見通しだ。「今は日本車だが、いつか中国車に買い替える日が来るのかな」。運転手の独り言が耳に残った。(森浩)

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