産経ニュース

リラ急落 安全保障の鍵握るトルコ NATO加盟国で中東戦略の要…だが近年、米と厳しく対立

ニュース 国際

記事詳細

更新


リラ急落 安全保障の鍵握るトルコ NATO加盟国で中東戦略の要…だが近年、米と厳しく対立

トルコのエルドアン大統領(左)とトランプ米大統領(ロイター)  トルコのエルドアン大統領(左)とトランプ米大統領(ロイター) 

 トルコは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で米国と軍事上の同盟関係にあるが、両国はここ数年、厳しく対立してきた。発端はトルコで起きたクーデター未遂事件とシリア内戦にある。

 2016年のクーデター未遂事件で、トルコのエルドアン政権は米国在住のイスラム指導者、ギュレン師が「黒幕」だと断定し、米政府に身柄の引き渡しを求めてきた。しかし、米側は応じないばかりか、この事件に関与したとしてトルコが拘束、軟禁している米国人のブランソン牧師の解放を要求。米政権が追加関税の税率を引き上げたのも、解放に向け圧力をかける狙いからだとされる。

 11年に始まったシリア内戦で、米軍は少数民族クルド人の民兵組織を支援してきたが、トルコ政府はこの組織は独立国家樹立を掲げる自国内の非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)の分派だとし、「なぜテロ組織を支援するのか」と米国を非難してきた。

 一方、トルコは、イランやテロ組織など中東地域を監視する米軍の軍事拠点として大きな役割を果たしてきた。対米関係の悪化はリラ暴落を招き国際経済に与える影響もさることながら、地域の安全保障を脅かしかねない危険性を秘めている。(カイロ 佐藤貴生)

「ニュース」のランキング