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トルコ「新たな友人や同盟」を模索 制裁関税課すトランプ米政権に揺さぶり

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トルコ「新たな友人や同盟」を模索 制裁関税課すトランプ米政権に揺さぶり

12日、トルコ北東部トラブゾンで支持者らと握手を交わすレジェップ=タイイップ・エルドアン大統領(左)=AP 12日、トルコ北東部トラブゾンで支持者らと握手を交わすレジェップ=タイイップ・エルドアン大統領(左)=AP

 【カイロ=佐藤貴生】対米関係の悪化で、深刻な通貨下落に見舞われているトルコのエルドアン大統領が、「新たな友人や同盟」を模索する意向を示している。鉄鋼とアルミニウムに課す関税の税率を倍に引き上げると表明したトランプ米政権に対し、協力関係の解消を示唆して揺さぶりをかける狙いとみられる。エルドアン氏は反米的な言動で国民の支持を得てきただけに、容易に米国に屈する姿勢は見せられない面があり、市場は緊張した局面が続きそうだ。

 トルコの通貨リラは10日に急落し、国際的な金融不安を招いた。エルドアン氏は12日、「リラが急落する経済的な理由がない」「トルコに対する陰謀だ」などと訴え、引き続き米国に対抗していく姿勢を強調した。

 10日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)への寄稿でエルドアン氏は、2016年のクーデター未遂事件に関与したとしてトルコで軟禁下にある米国人牧師の処遇について、米側が「露骨な脅し」で解放を迫ったとし、「受け入れられず、不合理で友好関係を害する」と批判。一方的で無礼な行動を改めなければ、「新たな友人や同盟を探し始める」と述べた。

 具体的な相手国などには言及していないが、エルドアン氏は米政権が関税の引き上げを表明した10日、プーチン露大統領と電話で会談し、経済・貿易関係について協議した。トルコでは4月、ロシア企業がトルコで初となる原発建設に着手している。

 また、イランのザリフ外相は11日、「制裁中毒」を治すべきだと米政権を批判した。英BBC放送(電子版)によると、トルコの輸入原油の約半分はイランに依存しており、トルコは米の対イラン制裁再発動に反発している。

 トルコと露、イランはいずれもシリア内戦に介入し、米側と対立している。米は3月に英国で起きた元露情報機関員らの暗殺未遂事件をめぐり露政府への制裁を表明しており、今回の対トルコ制裁でこの3カ国への個別制裁が出そろった形だ。

 トルコ・バフチェシェヒル大のギュルセル教授は取材に、「エルドアン氏が米国人牧師を解放し帰国させたくても、(制裁が発表された現状では)もう遅く、できないのではないか」と指摘。経済が不安定化する中、「エルドアン氏は、資本の自由な移動や、リラと外貨の自由な交換などを基盤とする経済体制を変えようとしている-との観測もある」と述べた。

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