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【三井美奈の国際情報ファイル】ベテラン政治家はもういらない? 若返る欧州政治に「レッテル貼り」では見えぬ変化

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【三井美奈の国際情報ファイル】
ベテラン政治家はもういらない? 若返る欧州政治に「レッテル貼り」では見えぬ変化

 スペインで6月に退任したラホイ前首相(63)の「第二の人生」が最近、欧州メディアの注目を集めた。

 首都から400キロ離れた港町の公証人になった。約30年前、政治家になる前にやっていた仕事だ。朝は30分間、海岸を歩いて出勤し、終業後はなじみのパエリア屋に寄って帰宅する。国家機関で年収10万ユーロ(約1300万円)の名誉職に就く道を蹴って、普通の公務員に戻った。自身の後継者を決める党首選に元側近が立候補しても、「時代が変わったから」と応援すらしなかった。引き際の潔さは称賛の的。現役時代の不人気がウソのようだ。

 こんな話が新聞ダネになるのも、欧州政治の世代交代で、50代以上のベテラン政治家がごっそり引退を迫られたからだろう。

 いまの主役は30~40代だ。フランスで昨年、マクロン大統領が39歳で就任したのに続き、オーストリアでは31歳のクルツ首相が誕生。イタリアのポピュリズム(大衆迎合主義)政権は「同盟」のサルビーニ内相(45)、「五つ星運動」のディマイオ労働相(32)の連立2党代表が動かす。スペインでラホイ氏の後を継いだ保守・国民党のカサド党首は37歳で、社会労働党のサンチェス首相(46)から政権奪回を狙う。

 もともと、政界エスタブリッシュメントの外にいた若い指導者たち。当初は「政治不信を吸収しただけ」と揶揄(やゆ)されたが、公約を即実行に移すスピード感で旧世代との違いを確実に示した。派閥配慮や根回しという政治の常識に縛られないから、とにかく早い。

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